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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その五

 ティムール軍のマムルーク達と激突した、両軍の艦載機達も忽ち激しい戦闘に入った。
 ミサイルとビームが飛び交いドッグファイトが展開される、あちこちで爆発が起き光が銀河を彩っている。
 その中でだ、オムダーマン軍のエースであるウサイン=アルマシーラ大佐は自身の率いる部隊と共に激しいドッグファイトを展開していた、その中でだった。
 彼は二機撃墜した、そのことを確認してから率いている大隊に言った。
「全員ミサイルはあるか」
「いえ、もうです」
「ミサイルはありません」
「あるのはビームバルカンだけです」
「それだけです」
「そうか、ならバルカンの数が三分の一になったらだ」
 その時にというのだ。
「退け、いいな」
「バルカンのエネルギーも少なくなれば」
「その時はですか」
「無理はせずにですか」
「母艦に帰ることですか」
「そうしろ、俺もだ」
 自分達のところに来たティムール軍の編隊を見つつ言った。
「もうミサイルはない、二機撃墜したがな」
「もうその時にですね」
「使われていて」
「ない」
 彼の乗機もというのだ。
「だから俺ももうバルカンだけだ」
「そのバルカンが尽きれば」
「隊長もですね」
「退く、武器がないとだ」
 そうなってしまってはというと。
「どんな優秀な機体でも飛ぶ的だ」
「そんなものですね」
「そうなってしまいますね」
「だからですね」
「エネルギーが危なくなったら」
「下がれ、その時は俺に言え」
 体調である自分にというのだ。
「いいな、それじゃあな」
「今からですね」
「右斜め下から来る敵編隊に向かう」
「そうしますね」
「そうするぞ、敵の数は多いがな」
 そしてその護りも堅固である、艦隊を護っている。だがこれはオムダーマン軍にしても同じである。
「それでもだ」
「このままですね」
「攻めていく」
「そうしていきますね」
「そうだ、そうしていくぞ」
 ビームバルカンだけだがそれでもというのだ、彼等は自分達のところに来た敵の編隊に向かった。アルマシーラも激しい死闘の中にいた。
 艦載機同士の戦闘が続く中でだ、シャイターンは戦局を見ていた。そうして両軍の状況を見つつ指示を出した。
「このまま言った通りにだ」
「はい、前にですね」
「前に突き進み」
「そうしてですね」
「敵軍と衝突する」
 オムダーマン軍三十個艦隊と、というのだ。
「そうするぞ、いいな」
「わかりました」
「それではです」
「このまま激突しましょう」
「正面から」
「接近戦、そして艦内戦の用意だ」
 接舷しての切り込み戦もあるというのだ、サハラの戦争においてはこうした事態もままにしてあることだ。
「しておけ、陸戦部隊もだ」
「戦闘用意ですね」
「それに入りますね」
「艦内戦のな」 
 まさにそれのというのだ。
「入る様にしておけ、ではだ」
「はい、このまま」
「激突です」
 幕僚達も応える、こうしてだった。 
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