星河の覇皇

「いいな」
「わかりました」
「ではこれよりですね」
「攻撃射程に入ればですね」
「即座に攻撃を開始しますね」
「そうする、まずは砲艦だ」
　この艦艇による攻撃だというのだ。
「敵の移動速度とこちらの移動速度を計算してだ」
「射程に入ればですね」
「その瞬間にですね」
「一斉射撃だ」
　それを行うというのだ。
「砲艦のな、そしてだ」
「さらにですね」
「そこからですね」
「やはり進みつつだ」
　砲艦での攻撃の時と同じくというのだ。
「ビーム攻撃、ミサイル攻撃を行い」
「魚雷ですね」
「全て前に進みつつ行い」
「そうしてですね」
「艦載機を出しますね」
「全て射程に入ったならだ」
　その時はというのだ。
「そうする、決して止まることはしない」
「そして激突して」
「さらにですね」
「さらに攻める、攻めに攻めてだ」
　軍同士が文字通りに激突してもというのだ。
「接近戦を挑む、無論私もだ」
「閣下もですか」
「そしてこのシャハラザードも」
「その中に入る、そのうえで戦う」
　オムダーマン軍と、というのだ。
「いいな」
「旗艦自らですか」
「そうだ、敵陣に入りだ」
　そうしてというのだ。
「さらに戦いそしてだ」
「退かない」
「そうお考えですか」
「王も剣を抜き戦う」
　ここでこの言葉を言ったシャイターンだった。
「それがサハラの戦いだな」
「はい、必要とあらば」
「王もまた戦士の一人ですから」
「王自ら剣を抜き」
「そうしてですね」
「戦うものだからだ」
　実際にサハラでは王この場合は旗艦もまた前線に出て攻撃を行うことも多い、旗艦もまた戦力として考えてのことでありサハラの軍人は主であろうとも自ら戦いそうして勝つのもまた考えの一つであるのだ。
「だから私もだ」
「戦われますか」
「シャハラザードを前線に出す」
「そうされますか」
「前線に出せるだけの戦力を出してだ」
　そうしてというのだ。
「戦うぞ、そうでなければだ」
「アッディーン大統領には勝てない」
「そうなのですね」
「あの御仁には」
「そこまでの方だからこそ」
「そうして戦う、無論相手も同じことを考えている」
　そのアッディーンもというのだ。
「必ずだ」
「ここは、ですね」
「あの方も前線に出られて」
「そして自ら剣を手に戦う」
「そうされますか」
「王の手にもシミターがある」
　こうも言ったシャイターンだった、シミターとはアラブの刀でよく曲がった切れ味のいい刀だ。サハラでは剣はこれを指す場合もある。