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猫が知らせるもの

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第三章

「腹の中ではとんでもなく悪いこと考えているから」
「注意しないと駄目なの」
「そう、だからね」
「佐助も見てなの」
「注意してね、いいわね」
「それじゃあ」
 あかねはまどかの言葉に頷いた、店では普通に着飾って毛を整えた佐助を見せていた。佐助は店の中では大人しく座っていた。
 だがあかね達の席に一人の若く整った顔立ちで背も高くすらりとしている服もいけている感じの男が来てだった。
 あかねに声をかけようとした時にだ。
「シャーーーーーッ!!」
「!?」
 あかねは佐助を見て驚いた、何とだ。
 佐助は四本足で立ち上がって全身の毛を立たせて男に威嚇しだした、それまで大人しかったがそれでだった。
 あかねも驚いたがまどかはその佐助と男を見て言った。
「この人多分ね」
「悪人なの」
「それも極悪人よ、話を聞かない方がいいわ」
 男のそれをというのだ。
「絶対に」
「今まどかが言っていたわね」
「ええ、そのままだしね」 
 まどかは男を見てさらに言った。
「笑顔だったけれど」
「それでもなの」
「ええ、目は笑ってなかったわ」
 まどかに近付いた時の男の笑顔についても言うのだった。
「それも全くね」
「目が笑ってないってことは」
「聞いてるでしょ」
「笑顔でもそうならね」
「物凄い暗いものを抱えているか」
 それで心まで、目まで笑えないのだ。世の中こうした悲しい人もいるのだ。
「それかね」
「悪いことを考えていて」
「それでよ」
「目が笑ってないのね」
「だからこの人の話もね」
 これもというのだ。
「聞いたら駄目よ」
「そうなのね」
「絶対にね」
 それはというのだ。
「本当にね」
「それじゃあ」
「何処かに行って下さい」 
 まどかが男に厳しい声で告げた、佐助は今も音を睨んで威嚇している。 
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