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英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~

作者:sorano
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第106話

~ユミル近郊・ユミル方面メンフィル・クロスベル連合軍駐屯地・作戦立案天幕~





AM:12:30――――――



「「「――――――失礼します!」」」

「あ…………」

エフラムがどこかに通信をして数分後、金髪の中性的な容姿の少年騎士、金髪の少女騎士、そして緑髪の青年騎士が天幕に入ってきてリィン達の前に姿を現し、3人の騎士達に見覚えがあるリィンは呆けた声を出した。

「カイル・ベルグリーズ以下3名、参上致しました!」

「ご苦労。前もって知らせたように今からお前達の部隊は灰獅子隊と合流し、灰獅子隊を支えてもらう。その為、お前達の指揮官は俺とエイリークからリィン少将に移行しているから以後リィン少将の指示に従うように。なお、期間は今の所今回の戦争終結までとなっている。」

緑髪の青年騎士―――カイル・ベルグリーズが敬礼をして答えると、エフラムがカイル達を見回して指示をし

「「「イエス・マイロード!!」」」

エフラムの指示に対してカイル達は敬礼をして答えた。

「フフ、積もる話もあるでしょうし、私と兄上はこれで失礼しますね。――灰獅子隊での活躍、期待しているわね、フランツ、アメリア。」

「「はいっ!」」

そしてエイリークは少年騎士と少女騎士に声をかけた後エフラムと共にその場から去った。



「リィンさん。もしかして彼らはエーデルガルトさん達と同じ……」

「はい。灰獅子隊にはいなかった残りの黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)のクラスメイト達と二人の直接指導をしていた先輩です。」

「うふふ、という事はこれでの黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)は担当教官であるセシリアお姉さんを除けば”勢揃い”した事になるわね♪」

エフラム達が去った後に問いかけたプリネの質問にリィンが答えるとレンは小悪魔な笑みを浮かべた。

「えへへ……――――――久しぶり、リィン!」

「訓練兵の卒業式以来だね。エレボニアでの留学は色々と苦労の連続だとは聞いていたけど、元気そうで何よりだよ。」

「ハハ…………そちらも相変わらずで何よりだ。カイル先輩もお久しぶりです。」

無邪気な笑顔を浮かべた少女騎士―――アメリア・シルヴァと親し気な様子の少年騎士―――フランツ・ヴィントに話しかけられたリィンは懐かしそうな表情を浮かべて答えた後カイルに視線を向けた。



「ああ。――――――フランツ、アメリア。再会話に花を咲かせたいお前達の気持ちもわからなくはないが、その前に初対面の殿下達にご挨拶しておくことを忘れているぞ。」

「あ…………し、失礼しました!私はアメリア・シルヴァ中尉と申します!所属はエイリーク様の親衛隊ですが、この度私を含めた”アメリア隊”は灰獅子隊と合流し、以後灰獅子隊の一員として活動する事となっていますのえ、よろしくお願いします!」

「――――――同じくエイリーク様の親衛隊の部隊長を務めているフランツ・ヴィント大尉と申します。僕の部隊――――――”フランツ隊”もアメリア隊同様灰獅子隊の一員として活動することになりましたので、よろしくお願いいたします、両殿下。」

カイルに指摘されたアメリアとフランツはレン達に視線を向けて敬礼をして自己紹介をし

「―――――自分はエフラム様の親衛隊の部隊長の一人を任命されているカイル・ベルグリーズ准将であります!アメリア隊、フランツ隊と共に我が部隊”カイル隊”も灰獅子隊に加わり、灰獅子隊の一員として活動することになりましたので、以後よろしくお願いいたします!」

二人が自己紹介を終えるとカイルもレン達に敬礼をして自己紹介をした。



「フフ、こちらこそよろしくお願いしますね。」

「うふふ、数多く存在するメンフィル皇家の親衛隊の中でもシルヴァンお兄様の親衛隊に次ぐ精鋭揃いのリフィアお姉様の親衛隊に迫る程と謳われているエフラムお兄様とエイリークお姉様の親衛隊の実力、頼りにさせてもらうわね♪」

「私は昨日、灰獅子隊の”参謀”の一人として務める事を認められた能天使ルシエルと申します。新参者同士、親しくして頂ければ幸いです。」

アメリア達に挨拶をされたプリネとレンは微笑み、ルシエルは会釈をした。

「え……さ、”参謀”ですか?それも”天使”が灰獅子隊――――――ううん、エレボニア征伐の為に結成されたメンフィル軍にいるなんて……!」

「一体どのような経緯があって、ルシエルさんはリィン達と共にいるんだい?」

ルシエルの自己紹介を聞いたアメリアは呆けた後すぐにルシエルが天使である事に気づくと驚きの表情を浮かべ、フランツは戸惑いの表情でリィン達に訊ねた。その後リィン達はルシエルについての事情を一通り説明した。



「そんな事があったのか……」

「フフ、でもルシエルさん自らが”参謀”を務めたいって申し出る程の信頼を勝ち取るなんて、リィンのそういう所も相変わらずだね。」

「そうだな……――――――最も、自分の身を顧みない悪い所も相変わらずのようだが。」

ルシエルの事情を聞いたフランツは驚き、微笑みながら答えたアメリアの言葉に頷いたカイルは呆れた表情でリィンを見つめ

「確かに”飛天魔”と”一騎打ち”なんて無謀な真似、普通は考えませんよね……その場にいたステラ達も”久しぶりにリィンの悪い癖が出た”って思ったでしょうね~。」

「ま、まあまあ……普通に考えたら飛天魔と上位の睡魔の部隊なんて、まともにぶつかり合えばその場にいたリィン達からも少なからず犠牲が出た可能性は高かっただろうから、飛天魔の”誇り”を利用した”一騎打ち”で双方の犠牲を無くしたリィンの判断も適切ではあるよ。」

「うっ……それについては深く反省していて、改善するように努力しています……」

カイルの言葉にアメリアは同意し、フランツは苦笑しながらリィンに対するフォローの言葉を口にし、リィンは唸り声を上げて疲れた表情で答えた。



「フッ……人伝でお前達――――――灰獅子隊の活躍や昇進は耳にしている。ようやくあの”ぐうたら男”も相応の地位に就いて何よりだ。」

「ハハ……隙あらば、人任せにする事に関しては相変わらずですけどね……」

「”ぐうたら男”というのはもしかして……」

「もしかしなくてもフォルデ大佐の事でしょうね♪」

静かな表情で呟いたカイルの言葉を聞いたリィンは苦笑しながら答え、二人の会話を聞いていたプリネは苦笑し、レンはからかいの表情で答えた。

「ハア……リィン。幾ら訓練兵時代にお世話になったとはいえ、今のリィンは兄さんより立場は上なんだから、遠慮なんてする必要はないよ?」

「そうだな。むしろ、今までサボっていた分の代償として馬車馬のようにこき使うつもりで、奴にどんどん仕事を振るべきだな。」

リィンの答えを聞いたフランツは呆れた表情で溜息を吐いた後リィンに指摘し、フランツの指摘にカイルは頷いた。

「アハハ………灰獅子隊の活躍を聞く度に、あたし達だけリィン達とまだ一緒に戦えない事にもどかしい思いをしていたけど……ここからは、今までの分を取り返す為にも全身全霊で頑張るから、よろしくね!」

「ああ……!」

二人のフォルデに対する痛烈な指摘にアメリアは苦笑した後リィンに微笑み、アメリアの言葉にリィンは力強く頷いた。その後リィン達はレヴォリューションに戻り、部隊長クラスを招集してエフラム達との軍議内容を伝えた。



~レヴォリューション・ブリーフィングルーム~



「……なるほどな。つまりはここにいる大半の部隊はルーレを直接攻略するクロスベル軍の支援に回るって事だな。」

「まあ、黒竜関からの援軍を食い止めるメンフィル軍に加勢した所で正直”無意味”のようなものだから適材適所だね。」

「そうよね。黒竜関からの援軍を食い止めるメンフィル軍はよりにもよってただでさえ精鋭揃いの親衛隊の中でもあのゼルギウス将軍とシグルーン中将率いるリフィア殿下の親衛隊に迫る程と言われているエフラム皇子とエイリーク皇女の親衛隊だから、むしろ私達は余計な手出しなんてしない方がいいでしょうねぇ。」

リィン達の説明を聞き終えたクロードとローレンツは納得した様子で頷き、ドロテアは苦笑していた。

「リィン、今回も前回同様アルフィン殿下に敵軍に対して降伏勧告を行わせるのか?」

「ああ、その予定だ。」

「ちなみにだけど、今回は諜報部隊が予め手に入れてくれた敵軍――――――ノルティア領邦軍の”総大将”であるログナー侯爵のARCUSに通信をして降伏勧告を行う事になっているわ。――――――ま、ログナー侯爵も前回のトリスタの防衛部隊同様アルフィン卿の降伏勧告には耳を貸さないでしょうね。」

「?何故レン皇女殿下はログナー侯爵がアルフィン殿下の降伏勧告に耳を貸さない事を確信していらっしゃるのでしょうか?今回降伏勧告を行う相手は一介の軍人ではなく侯爵――――――それも皇家に次ぐ権力を有する貴族の当主なのですから、自国の皇女であられるアルフィン殿下の降伏勧告に対して多少の迷いは見せると思われるのですが……」

ドゥドゥーの質問にリィンが答えた後に説明を続けたレンの話を聞いたイングリットは不思議そうな表情で訊ねた。



「……確か現ログナー侯爵家の当主のゲルハルト・ログナー侯爵は”武闘派”である事から他の四大名門よりもアルノール皇家――――――厳密に言えばユーゲント陛下に対する忠誠心が一際厚いという話を聞いた事があるわ。それを考えると、幾らユーゲント陛下のご息女とはいえ、世間からすればアルノール皇家を裏切ったアルフィン殿下の降伏勧告には耳を貸さないでしょうね。」

「要するに典型的な頑固親父ですか………というか、それなら何で内戦に加担したんですかと突っ込みたいですよ。」

静かな表情で呟いたエーデルガルトの情報を聞いたリシテアは呆れた表情で呟いた。

「話を続けるが、スピナ間道側から攻めるリィン隊の機甲兵の部隊を指揮する人物は今回はフォルデ先輩に任せたいと思っていますが……」

「いやいや、エレボニアの五大都市の一角を攻めるなんて重要な任務、ここは安定性を優先して既に”実績”があるステラでいいじゃねぇか。黒の工房のオーロックス拠点を攻めた時も問題なく指揮していたじゃねぇか。」

「兄さん……もっともらしい事を言っているけど、部隊長を務めたくないというのがバレバレだから。」

「そうだよね……?フォルデ先輩、その気になれば優秀な軍人として仕事ができるのはあたし達も知っているものね……」

「というかフォルデ先輩は”実績”と仰っていますけど、”双龍橋”の時にフォルデ先輩は機甲兵の部隊を指揮していたのですから、むしろ既に機甲兵の部隊を指揮した経験があるフォルデ先輩の方が適切ではありませんか……」

リィンに視線を向けられたフォルデはいつもの調子でステラに視線を向けて指摘し、フォルデの指摘にその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中フランツは呆れた表情で溜息を吐き、アメリアは困った表情で呟き、ステラは疲れた表情で指摘した。



「リィン、奴に”任せたい”等生温い事は言わず、”任命する”と言え。奴を甘やかす必要がない事はお前も、重々理解しているはずだ。」

「全くだね。君も大切な後輩の為にも、いい加減”本気”を出したまえ。君のその態度が、軍内の者達に伝わる事で君が直接指導したリィンやステラの顔を潰すことに発展する可能性も十分にあるのだよ?」

「へいへい……ったく、仕方ねぇな。」

顔に青筋を立てたカイルの意見に同意したフェルディナントに注意されたフォルデは溜息を吐いて答え

「では、今回のリィン隊の機甲兵の部隊はフォルデ先輩に指揮してもらうという事でお願いします。その代わりステラは俺の部隊に入ってくれ。」

「わかりました。」

「今回の作戦で一番負担をかけてしまうことになるのは二つの戦場で戦う事が求められているベアトリースの部隊だが……ベアトリースの部隊は上級魔族達ばかりで形成されているのだから、気遣いは不要どころか、期待させてもらっていいよな?」

「無論だ。誇り高き”飛天魔”にとって連戦等苦ではないどころか、腕がなる話だ。リィン様は大船に乗ったつもりで我らが挙げる戦果を待っているといい。」

ステラの後に話を振られたベアトリースは堂々とした様子で答えた。



「ああ、そうさせてもらう。フランツとアメリアの部隊は、俺の部隊と鉄機隊と共にログナー侯爵家の屋敷を襲撃してくれ。」

「了解。」

「うん、いいよ!」

「そしてルシエルの天使部隊はルシエルの策通り、俺達と共にルーレに潜入後は空による監視で紅き翼の対処を任せる。」

「ええ、彼らの対処については私達にお任せください。」

「やれやれ……かつてのリィンのクラスメイトであった者達は実際どれ程の使い手なのか確かめる為に刃を交えたかったのだが……今回は縁が無かったと諦めるしかないな。」

「まあ、敵を殺すこともできない”腰抜け”ばかりの人達とはいえ、仮にも内戦を潜り抜けて内戦終結に大きく貢献したのですから、実力は”それなり”にはあるでしょうね。」

「そうだな……それに、トールズ時代のリィンの担当教官もそうだが、紅き翼に協力している連中の中にはエレボニアの二大武門の片割れの達人クラスに加えて、リベールの異変の際にリウイ陛下達と共に異変の原因の浮遊都市に乗り込んで結社の連中ともやり合った遊撃士達もいるから、俺達も油断していたら足元をすくわれかねない連中である事は確かだな。」

溜息を吐いて残念そうな表情を浮かべているディミトリの言葉を聞いたリシテアは静かな表情で呟き、クロードは冷静に分析していた。



「―――ルシエル、でしたか。紅き翼と何度か刃を交えたことがある私から忠告しておきますわ。――――――彼らは未熟者ばかりとはいえ、決して侮っていい相手ではありませんわ。実力もそうですが、何よりも彼らにはどのような苦境に陥ろうとも決して諦めない不屈の精神がある事や今までの活動で紡いできた”絆”という彼ら自身も想定していない援軍が義憤に駆られる、恩返し等様々な理由で駆け付けて彼らを助けるという事がありえます。実際、私も内戦でもその出来事によって決戦の地である”煌魔城”で出し抜かれた事がありますわ。」

「デュバリィさん……」

「そうですね……その”絆”の部分に関してはエステルさん達とも共通していますから、今回の戦いでもその”絆”が発揮する可能性は十分にありえるでしょうね。」

「……ご忠告ありがとうございます。人々が共に苦難を超えていく為に紡ぐ”絆”……それが”戦場”にどのような形で発揮するのかをこの目で確かめる貴重な機会の戦いになりそうですわ。」

デュバリィのルシエルの忠告を聞いたリィンが驚いている中プリネは静かな表情で肯定し、ルシエルはデュバリィに会釈をした後表情を引き締めて呟いた。



「―――ルーレ占領作戦開始は明日の10(ひとまる):00(まるまる)だ。それまでは各自英気を養ってくれ。」

「イエス・コマンダー!!」

そしてリィンがブリーフィングの終了を締めくくる言葉を口にするとその場にいる全員は力強く返事をした。

「さてと……真面目な話も終わった上次の作戦開始まで休憩が長めに取れることがわかったことだし、リィン達の後でみんなで挨拶に行かねぇか?」

「そうね……恐らく既にⅦ組も挨拶しているでしょうし、訓練兵時代のリィンの元クラスメイトの私達も挨拶をしておくことは当然だものね。」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。まさかとは思うが、みんな、父さん達に挨拶をしに行くつもりなのか……!?」

ブリーフィング終了後すぐに口を開いたクロードの提案に頷いたエーデルガルトの様子を見てある事を察したリィンは驚きの表情で訊ねた。



「ハハ、当たり前じゃないか。まあ、先にリィン達とご両親の互いの無事を確かめ合う再会が終わってからにするが。」

「フフッ、せっかくの機会ですから内戦時に拉致されてリィンさん達の手で奪還したエリスさんとご両親を再会させてあげることもそうですが、今回の戦争で結んだ新たな”絆”としてリィンさん達の仲間になったリィン隊のメンバー―――アルティナさん達と共に挨拶に行ったらどうですか?」

「うふふ、それと今夜は実家に泊まってきたらどうかしら?灰獅子隊は次の作戦開始までは”休養日”のようなものだから、軍団長のリィンお兄さんが実家に泊まっても誰も文句は言わないわよ♪」

リィンの確認に対してディミトリは苦笑しながら答え、プリネとレンはそれぞれリィンに提案をした。

「…………わかりました。お二方のせっかくの好意、甘えさせて頂きます。みんなも、よければ父さん達への挨拶が終わったらユミルを見て回ってくれ。何もない所だが、足湯や温泉があるから、英気を養える事くらいはできるぞ。」

二人の提案を聞いて少しの間考え込んで答えを出したリィンは実家に顔を出す事を決めてプリネ達を見回して答えた。



「フフ、リィン君やエリゼちゃんから聞いていた”温泉”ね。前から興味はあったから、ちょうどいい機会ね♪」

「あたしも、ユミルの温泉にはちょっとだけ興味があったんですよね。あたしの実家の所属がまだエレボニアだった時から観光地としてユミルの鳳翼館の温泉は有名でしたし。」

「食いしん坊のイングリットは土産物屋で温泉饅頭や温泉卵を買い食いしまくって腹を壊して、明日の作戦に支障が出るような事はするなよ~。」

「なっ!?だ、誰が”食いしん坊”ですか!?た、確かに今話に出た温泉饅頭や温泉卵とやらには興味はありますが、私は今まで体調を壊す程たくさん食べた事はありませんよ!?」

「兄さん……確かにイングリットは食事が好きだけど、幾らなんでもその言い方はイングリットに失礼だよ……」

「温泉饅頭に温泉卵か……卵はともかく、饅頭は妹への土産にちょうどいいかもしれんな……」

リィンの言葉を聞いたドロテアとリシテアはそれぞれ興味ありげな表情を浮かべて話し合い、フォルデにからかわれたイングリットは顔を真っ赤にして反論し、フランツは呆れた表情で溜息を吐き、ドゥドゥーは一人で別の事を考え込み

「フッ、戦場続きの今の状況でゆっくりと温泉に浸かる事ができるなんて、最高の贅沢だね。」

「ああ。その点を考えると、今までユミルの防衛についていたカイル達が羨ましくなるな。非番の日ならばいつでも温泉を堪能できるのだからね。」

「……言っておくが、幾ら合流前までの任務がユミルの防衛だったとはいえお前達が想像しているような事は俺達は一切しなかったぞ。」

「アハハ、リィンや先輩達が今回の戦争に参加している話は知っているんですから、そのリィン達と合流もせずに自分達だけ楽しむような”抜け駆け”なんてリィン達に申し訳なさ過ぎてできませんよ。」

「フフ、私達は別にそのくらいの事で怒らないのですから、わざわざ気を遣われなくてもよかったのに、私達と合流するまで我慢していたなんて、真面目なお三方らしいですね。」

髪をかきあげたローレンツの言葉に同意したフェルディナントに視線を向けられたカイルは静かな表情で答え、アメリアは苦笑しながら答え、二人の答えを聞いたステラは微笑みながら答えた。

「全く……プライベートの時間になった途端騒がしくなるなんて、さすが貴方の同期生だけあって、そういった点に関してはⅦ組と共通していますわね。」

「ハハ……誉め言葉として受け取っておくよ。」

騒がしくなり始めた黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)の面々を見回して呆れた表情で溜息を吐いたデュバリィに指摘されたリィンは苦笑していた。



その後リィンはエリゼ、エリス、セレーネ、アルティナ、フォルデ、ステラ、アルフィン、クルト、ミュゼ、ルシエル、ベアトリースを連れてユミルの領主館にいる両親への挨拶に向かった――――――

 
 

 
後書き
今回の話で灰獅子隊のメンバーも全員揃ったので、今後の戦争時のBGMはファイアーエムブレム風化雪月の” 鷲獅子たちの蒼穹”だと思ってください♪なお、シルフェニアの18禁版も更新しましたので興味がある方はそちらもどうぞ。



ちなみに、創の軌跡は追加アプデのシナリオの夢幻の彼方クリアの為に全キャラクター強化中ですが……とりあえず、仲間になっても相変わらずのチートのマクバーンには笑いましたwwまさかマクバーンを操作する日が来ることもでそうが、火焔魔人マクバーンまで操作できるとは思いもしませんでしたねw 
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