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八条学園騒動記

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第五百八十五話 徹底してその四

「そしてです」
「多くの血を流すので」
「私は無神論を否定します」
「そうですか」
「そうした意味でも、そもそも」
 その先生にこうも言った。
「生きていて神の存在を感じなかったことがあるのか」
「それ自体がですね」
「私は感じると思います」
「生きていればですか」
「はい」
 そうしていればというのだ。
「そう思います」
「だからですか」
「その時点でおかしいのです」
 無神論はというのだ。
「何故そうなったのか常識では説明がつかない」
「そうしたことも世の中にはあるので」
「そうです、そのことについてです」
「無神論者はどう言うか」
「科学を出しても」
 それでもというのだ。
「説明がつかないこともあるというのに」
「むしろ科学者こそですね」
 その先生も言った。
「信仰を持ちますね」
「左様ですね」
「この世は科学で説明がつかないことが多いと言って」
「それが普通かと」
「そうなりますね」
「科学は進化し続けるものであり」
 そしてというのだ、このことは科学という学問がこの世に出てからこの時代まで続いていることである。
「そしてです」
「そのうえで、ですね」
「今の科学もです」
 それがどれだけ進んでいてもというのだ。
「万能ではないですし」
「発展途上ですね」
「あくまで。それで全てを語れるか」
 発展途上のものでというのだ。
「もうそれはです」
「言うまでもないですね」
「そう思うことがです」
「普通ですね」
「今の科学で全てを語ろうとする」
 このことはというと。
「それは大きな間違いを犯します」
「そうなりますか」
「そして間違いを起こす確率は」
 それはというと。
「百パーセントです」
「発展途上のもので全ては語れないですね」
「神を語ることも」
 発展途上のものでというのだ。
「結局です」
「そこで破綻しますか」
「神をいないことを否定しようとしても」
「それは科学ではですね」
「出来ず」
「他の学問でもですね」
「結局人は小さなものです」
 ロシュフォール先生はこうも言った。
「そんな人間がです」
「神を語ることはですね」
「出来ないです、唯物史観も」
 マルクス主義のそれもというのだ。
「最早それ自体がです」
「否定されていますね」
「結局マルクスは徒花でした」
 人類の歴史におけるそれだったというのだ。
「最早共産主義は間違っているとです」
「証明されています」
「神を否定した彼等こそが」 
 まさにというのだ。 
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