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八条学園騒動記

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第五百八十四話 何もない様にその六

「本当に」
「そうだね、ただ」
「ただ?」
「僕ロシュフォール先生は怖いよ」
 白い詰襟の風紀委員会の顧問である彼はとだ、マルティはアロアに対してどうにもという顔になって話した。
「どうしてもね」
「ああ、あの先生は怖いわね」
「威圧感あるよね」
「眼光鋭くてね」
「お顔立ちも」
 これもというのだ。
「かなりね」
「怖いから」
「それでね」
「怖いのね」
「あまり近寄りたくないね」
 この先生にはというのだ。
「本当に」
「まあそれはね」
「アロアもかな」
「大抵の人がでしょ」
 そうだというのだ。
「流石に少年術科学校から軍隊に入って」
「ずっといる人よりましかな」
「そこから一等上級曹長になってずっと下士官でいる様な」
 そうしたというのだ。
「人よりはね」
「確か軍隊で一番怖い人だね」
「少年術科学校ってね」
 アロアはこの学校の話もした。
「軍隊の中でも特にね」
「厳しいんだね」
「中学校卒業して」
「すぐに入って」
「もう徹底的に軍律叩き込まれて」
 そしてというのだ。
「そのうえで訓練もお勉強もね」
「厳しいんだ」
「特に日本が厳しいらしいけれど」
「何処でも同じだね」
「どの国でもね」
 今は中央政府軍もそうした学校を持っている。
「徹底的にそういうの叩き込んで」
「それで叩き込まれたから」
「もうね」
 それこそというのだ。
「滅茶苦茶怖いらしいわ」
「学校の先生よりも」
「さらにね」
 アロアはさらに話した。
「身体も鍛えてるから」
「軍人さんだからな」
「尚更ね」
「怖いんだな」
「もう軍隊で一番怖いという位だから」
「本物のこわさだな」
「ヤクザ屋さんでもね」
 俗に怖いと言われている存在でもというのだ。
「逆らえないそうよ」
「そうなんだね」
「だからロシュフォール先生でも」
「軍隊のそうした人よりはだね」
「怖くないと思うわ」
「そうなんだね」
「あと大学の柔道部の総監督の野村さん」
 アロアはこの人物の名前も出した。
「あの人もね」
「確か帯真っ赤だよね」
「紅ね」
「それって八段かそれ位だよね」
「五段まで黒でね」 
 柔道の帯のことはこの時代でも同じだ、有段者の証である黒帯は初段から五段までのことなのだ。六段からは赤と白の帯になってなのだ。 
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