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おぢばにおかえり

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第六十話 朝早くからその二十六

「私でよかったらね」
「じゃあそうさせてもらいますね」
「意外だけれどね」
「僕が女の子とお話することが苦手なことが」
「信じられないけれど」
 それでもです。
「阿波野君がそうならね」
「何でも何時でもいいんですね」
「私いやらしいお話や下品なお話は苦手だけれど」
 そうしたお話はどうもです。
「それでもね」
「はい、じゃあお話させてもらいます」
「阿波野君下品なお話とかしないけれど」
 あといやらしいお話もです、阿波野君は私にそうしたお話をしたことは一度もありません。
「それでもね」
「そうさせてもらいます」
「ええ、今もね」
「今この時点でもですか」
「何でもお話してね」
「そう言われますと」
 阿波野君は謙虚な態度になって私に言ってきました。
「かえってです」
「言いにくいの?」
「僕的には」
「そうなの、けれどね」
「何でもですか」
「お話していいからね」
 私相手ならと阿波野君にまた言いました。
「いいわね」
「そこまで言ってくれるなら」
「そういうことでね。ただね」
「ただ、ですか」
「図々しいのはちょっと、よ」
 阿波野君の普段の私への態度から言いました。
「私としてはね」
「駄目ですよね」
「そう、けれどそれでもよ」
「お話はしてくれますか」
「私でよかったらね」
「僕は高二になってからもですね」
「勿論よ、私大学か詰所にいるから」
 阿波野君に居場所もお話しました。 
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