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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第十二幕その十一

 サラは西瓜を食べて麦茶も飲んで、でした。 
 そうして楽しんで先生にあらためて言いました。
「滋賀県だから琵琶湖ね」
「うん、あちらはね」
「琵琶湖のお水で栽培された西瓜ね」
「そうだよ」
「琵琶湖のお水もいいから」
「よくなったと言うべきかな」 
 先生はサラに微笑んでこう返しました。
「そのことはね」
「よくなったの」
「うん、一時期汚くなって皆が努力してね」
「また奇麗になってなのね」
「お水もよくなったというかね」
 それかというのです。
「戻ったんだよ」
「そうなるのね」
「それでその琵琶湖のお水で栽培された西瓜は」
 それはといいますと。
「サラもだね」
「美味しいと思うわ」
 実際に食べてそう思うというのです。
「本当に」
「そうなんだね」
「ええ、これはいいわ」
 サラは麦茶からまた西瓜を食べて言いました。
「本当にね」
「それは何よりだよ、じゃあね」
「ええ、皆でね」
「飲んで食べていこうね」
「そうしましょう、そういえば兄さん鯰を見付けたっていうけれど」 
 サラはこちらのお話もしました。
「よかったわね」
「ビワコオオナマズだね」
「あの鯰のことは私も聞いていたしあちらの水族館で見たけれど」
「見たんだ」
「ええ、けれど琵琶湖で見付けて水族館に連れて来られたことはね」
 本当にというのです。
「今回来て最初に聞いたけれど」
「これからは学園の水族館でも飼育することになったんだ」
「そうなのね」
「水族館でもはりきってるよ」
「そのこともよかったわね、ただね」 
 サラは先生にこうも言いました。
「兄さんの頑張りは本当に見事ね」
「そう言ってくれるんだね」
「あの鯰は天然記念物よね」
「そうだよ」
「それだけに貴重で数も少ないのにね」
「水族館に来てもらったよ」
「河童さん達のお力も借りて、その河童さん達が力を貸してくれる様な人がね」
 まさにというのです。
「兄さんなのよ」
「僕なんだ」
「そうよ、これからもそのいいところは大事にしてね」
「そうしてだね」
「頑張っていってね」
「そうさせてもらうよ」
 先生はサラに笑顔で応えました、そうしてです。
 滋賀県で採れた西瓜を食べました、その西瓜はとても美味しかったです。


ドリトル先生と琵琶湖の鯰   完


                  2020・5・11 
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