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足首の護り

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第二章

 アキレウスは自信に満ちた声でアイアネアスに話した。
「あと少しでだ」
「トロイアをだな」
「攻め落とす、私がな」
「確かにヘクトールは倒した」
 トロイア一の勇者をとだ、アイアネアスもそれは認めた。
「だが」
「それでもか」
「君はこのことで敵に恨みを買っている」
 そのトロイアにというのだ。
「だからだ」
「狙われているか」
「そうだ、それまでも彼等を散々に破っているしな」
 このこともあってというのだ。
「恨まれている、しかも君は誰もが知っている」
「足首もこともか」
「ならだ」
「だから言うが」
「君を倒せるだけの勇者はおらずか」
「この身体だ」
 また自分の身体のことを言った。
「何度も言うが」
「足首以外はどんな剣も矢も通さない」
「如何なる武器も私を倒せないのだ」
「だからか」
「そうだ、それ故にだ」
 まさにというのだ。
「私はだ」
「誰にも負けないか」
「これも何度も言うが」
「足首もか」
「心配無用だ、何があろうともな」
「足首は狙われずか」
「トロイアは私の手で陥落する、その時を見ていてくれ」
 アキレウスはアイアネアスに自信に満ちた声で言った、雄々しく美しい顔だがアイアネアスはその顔を見て引き締まった顔を曇らせた。
「そうであればいいが」
「敵には弓の名手パリスもいる」 
 ここ黒い髪と瞳の男が言ってきた、中背でその目には深い知性がある。オデュッセウスという勇者である。
「彼のことが心配だな」
「この戦の元凶だな」
「そうだ、ヘレネを攫ったな」
「彼の弓は百発百中だ」
「どれだけ遠くの小さな的も射抜く」
「しかもヘクトールの弟だ」
「アイアネアスを誰よりも恨んでいる」
 兄を討った彼をというのだ。
「ならな」
「その弓でか」
「私はそれが心配だ」 
 オデュッセウスはアイアネアスに話した。
「万が一ではあるが」
「その万が一がだな」
「どうなるかだ」
 こう言うのだった、そして。
 トロイヤの正門の前で今も勇敢に戦うアイアネアスを陰のある美貌の男が見ていた、長い髪が風になびいており弓矢を持っている。
 その彼、パリスはアキレウスを見つつ周りに話した。 
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