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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その三十九

「どういった国になるか」
「左様ですか」
「その発展を」 
 アッディーン、そしてシャイターンを見ながらの言葉だ。見れば二人共まだテレビの画面にそれぞれいる。
「お二人のうちどちらかがそれを進められます」
「逆に言えばですね」
「お一人は消えるのですね、サハラから」
「はい」
 マックリーフと劉に答えた八条だった。
「そうなります」
「天下に二日なしといいますが」
「その通りですね」
「そうです、皇帝は一人です」
 このことは絶対というのだ。
「一つの国に」
「その通りですね」
「それはサハラにおいても同じですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「敗れた方はです」
「サハラから去る」
「必ず」
「シャイターン主席はアッディーン大統領を首相にとお考えの様ですが」
 八条は既にこのことを知っていた。
「そしてアッディーン大統領も」
「シャイターン主席をですね」
「閣僚なりに迎えたいのですね」
「その様にお考えなのですね」
「あの方も」
「しかしです」
 それでもとだ、八条はマックリーフと劉に話した。
「そうはいきません」
「やはり天下に皇帝は一人ですね」
「二日はなしですね」
「だからですね」
「敗れた方はですね」
「サハラから去ります」
 そうなったというのだ。
「そうせざるを得ません」 
 これが八条の読みだった。
「そうなります、ですから」
「連合かマウリアに入り」
「そこで生きることになりますか」
「連合に入った時にどうなるか」
 まさにこの時にというのだ。
「それが我々にとっては大事です」
「戦争後ですね」
 リバーグが言ってきた。
「去られた方をですね」
「どう迎え入れてどう生きられるか」
「そうですか」
「はい、そうなります」
 こうした話を元帥達と話しつつだ、八条はアッディーンとシャイターンを見ていた。宣戦布告が終わったばかりの彼等を。


第七十五部   完


                   2017・10・29 
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