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おぢばにおかえり

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第六十話 朝早くからその二十

「欲を忘れてって心掛けてるの。というか」
「というかといいますと」
「私元々無欲らしくて」
 それで、です。
「衣食住は普通に出来たらね」
「それでいいんですか」
「あれが食べたいこれが食べたいとか」
 まずは食べることから阿波野君にお話しました。
「ないしね」
「そういえば何でもですね」
「好き嫌いはあるわ」
 私にもそれはあります。
「カレーライスとかは好きよ」
「カレーライスは毎週日曜でしたね」
「詰所やおぢばの食堂のお昼はね」
「あのカレー美味しいですよね」
「子供の頃から食べてるの」
 おぢばにいる時は本当にそれが楽しみの一つです。
「それで好きだし。あと天理のラーメンもね」
「彩華のですね」
「それとサラダや八宝菜も好きだし」
 お野菜も好きです。
「西瓜や桃も好きよ」
「果物お好きですか」
「西瓜はお野菜だけれどね」 
 このことを子供の頃に言われて驚いたことがあります、甘いので西瓜は果物とばかり思っていました。
「そうしたのも好きなの」
「そうなんですね」
「お豆腐も好きだし枝豆も」
「枝豆は奥華の大教会でよく食べるそうですね」
「あの近くにいい畑があるから」
 だからです。
「よく食べるのよね」
「お酒と一緒にですね」
「ええ、ただ阿波野君未成年だから」
 かく言う私もまだ、です。 
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