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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第十幕その三

「本当に諱は使われないからね」
「それがわかっていないとね」
「日本の歴史は誤解するところがあるね」
「私達も日本に来て暫く知らなかったけれど」
「そうだったんだね」
「そうなんだ、それで佐吉さんと言うと」
 また河童の名前に戻りました。
「石田三成さんの名前だね」
「この滋賀県の人だし」
「まさにその人の名前だね」
「うん、実際に石田三成さんから付けられた名前かな」
 先生はこうも考えました。
「これは」
「そうかも知れないね」
「古い名前って思ったけれど」
「石田三成さんからかも知れないんだね」
「そのことを河童さん自身に聞いてみようかな」
「そうしてもいいわね」
 ダブダブが言ってきました。
「それも」
「そうだよね」
 ホワイティはダブダブの言葉に頷きました。
「河童さん自身にね」
「それじゃあ河童さんが来た時に聞こう」
「そうしたらいいわ」
 チープサイドの家族も賛成でした。
「もうすぐ来られるし」
「その時にね」
「河童さんがいいなら」
 それならとです、ジップも言います。
「教えてもらおうね」
「じゃあそのことも楽しみにしながら今は待とう」 
 トートーは先生にこう言いました。
「そうしていようね」
「あと五分位かな」
 チーチーは先生の時計をちらりと見て言いました、見れば先生は今は手に懐中時計を持っていてそれで時間を確認しています。
「河童さんが来られるまで」
「本当にあと少しだから」
 それでとです、ポリネシアも言います。
「ゆっくり待っていましょう」
「時間通りに来てくれるかな」
 こう言ったのはガブガブでした。
「河童さんは」
「日本人は時間通りに来るからね」
「妖怪さんもそうだと思うよ」
 オシツオサレツはガブガブに二つの頭で答えました。
「お静さんもそうだし」
「大丈夫だよ」
「こうしてお喋りをしていたらすぐに五分経つから」
 最後に老馬が言いました。
「待っていようね」
「うん、そうしていようね」
 先生も頷いてでした、皆とお喋りをしながら待ちました。そして五分経つと目の前の水面からです。
 河童達が出てきました、そうして先頭にいる河童が波止場に上がってきてそうして先生に言ってきました。
「先生、お待たせしました」
「時間通りだったので待っていないですが」
 先生は河童に笑顔で答えました。
「そこは、ですね」
「社交辞令ということで」
「日本の」
「はい、それとですが」
 ここでこうも言う河童でした。
「ビワコオオナマズですが」
「はい、そちらはですね」
「連れて来ました」
 幾人かの河童が大きな、もう何メートルもある水槽を出してきました。そこにです。
 一メートル位の物凄い大きさの黒い鯰が二匹いました、河童はその鯰を水かきのついた手で指し示しうつつ先生にお話しました。
「この鯰達がです」
「ビワコオオナマズですね」
「はい」
「そうですか、見ますと」
「大きいですね」
「かなり」
 実際にとです、先生は答えました。 
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