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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第十幕その二

「例えば織田信長さんもね」
「その名前ではだね」
「呼ばれなかったんだね」
「この人は平家だったから」
 それでというのです。
「平三郎となるんだ」
「そう呼ばれていたんだね」
「当時は」
「そうだったの」
「大抵は織田家だから織田三郎だったんだ」
 この呼ばれ方だったというのです。
「絶対に信長とは呼ばれなかったんだ」
「よくドラマや漫画や小説だとそう呼ばれているけれど」
「実は違ったんだね」
「信長さんはそう呼ばれていなかったんだ」
「だから徳川家康さんのお話でね」 
 先生はこの人のお話もしました。
「鐘に国家安康君臣豊楽と書かれたって豊臣家に抗議したとあるね」
「それ言い掛かりでね」
「そこから豊臣家との戦に持ち込んだってね」
「酷い話だよね」
「実はこれはなかったみたいだよ」
 この皆が言い掛かりだというお話はそれ自体がなかったことの様だとです、先生は皆に対してお話しました。
「これがね」
「その家康っていう名前が諱で」
「絶対に使うものじゃないから」
「それでなんだ」
「そうだよ、家康さんの方もこれはないってわかっていて」
 言い掛かりをつけたというこの人の方もというのです。
「それでね」
「そうしたことは言っていない」
「そうだったんだ」
「実は」
「まあこれは何かって豊臣家に聞いたかも知れないけれど」
 それでもというのです。
「すぐにわかったみたいでこの件は大事じゃなかった様だね」
「酷いお話と思ったら」
「実はそうしたお話がなかったとかね」
「歴史ではあるけれど」
「このこともなんだ」
「うん、問題は豊臣家はキリスト教を認めたから」
 このことをお話するのでした。
「それが幕府にとってはね」
「あっ、幕府キリスト教禁止していたからね」
「豊臣家がそれを認めたから」
「それが問題だったんだ」
「これが大坂の陣の直接の理由だったみたいだよ」
 戦争の原因はそちらだったというのです。
「どうもね」
「何かキリスト教の教えが幕府にとって邪魔だとか言われてたけれど」
「これも違うんだよね」
「キリスト教の布教から日本が乗っ取られることを警戒していて」
「何よりも民衆の人が海外で奴隷にされていたからだったわね」
「宣教師の人達に売られてね」
 そのうえでというのです。
「そうなっていることを豊臣秀吉さんが知ってね」
「物凄く怒ってだったね」
「キリスト教を禁止してね」
「海外で奴隷にされていた人達は買い戻してね」
「そうして助けたんだよね」
「家康さんは秀吉さんの重臣だったから」
 それでというのです。
「このことを知らなかった筈がないし」
「それでだね」
「家康さんもキリスト教禁止したんだね」
「そうしたんだね」
「そうだよ、そこで豊臣家がキリスト教認めたから」
 だからだというのです。
「もう幕府としてはね」
「見過ごせなくてだね」
「民衆の人達を奴隷として売られるから」
「それで看過出来なくて」
「戦になったんだ」
「そういう経緯だったみたいだね、あの鐘のお話はあったにしてもすぐに終わったお話だよ」
 これまでお話した事情によってです。 
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