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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第九幕その八

「喜んで」
「では明日この時間またここで」
「胡瓜と西瓜を持って来てくれますか」
「そうさせて頂きます」
「それでは」
 こうしてでした、先生は明日この時間にまたこの波止場に来ることになりました。そのお話が終わってです。
 先生は田中さんに携帯で河童とのお話をして胡瓜と西瓜の手配もお願いしました、田中さんも快諾してくれました。
 しかしここで、です。動物の皆は田中さんとのお話を終えた先生に言いました。
「河童と会ったのははじめてだったけれど」
「先生全然平気だったね」
「そうだったね」
「これといってね」
「何もなかったね」
「うん、それはね」
 特にというのです。
「河童がどういった存在かわかっていたからね」
「怖がることもなくて」
「それで普通に接していたんだ」
「そうだったんだね」
「そうだよ」
 だからだというのです。
「僕はね」
「そうだったんだ」
「別に怖くなくて」
「それでだね」
「普通にやり取りも出来たんだね」
「そういうことだよ、相手が妖怪でもね」
 人間でも生きものでなくてもというのです。
「僕は元々怖がらないね」
「そうだよね」
「これといってね」
「先生は怖がらないね」
「相手が誰でも」
「そうしているよ」
 これといってというのです。
「普段からそうだね」
「そういえば姫路城でもそうだったね」
「妖怪のお姫様にもだね」
「普通に接していたね」
「人間でも生きものでもないって怖がることなく」
「平等だったね」
「人間でもとんでもない人もいるしね」
 そうした人もというのです。
「そうだね」
「いるね、中には」
「おかしな人が」
「姿形が人間でもね」
「心が人間でない人も」
「逆に妖怪でも心が人間ならね」
 それならというのです。
「僕は別に警戒する必要はないと思うしね」
「というか」
 老馬がここで先生に言いました。
「先生の言う通り心がどうかだよね」
「さっきの河童さんは紳士だったしね」 
「礼儀正しくて丁寧で」
 オシツオサレツは河童のお話をします。
「雰囲気も感じたけれど」
「悪いものじゃなかったよ」
「目は口程にっていうけれど」
 ダブダブは河童のそちらに注目していたみたいです。
「目が澄んでいたしね」
「妖怪や妖精も嘘吐かないから」
 こう言ったのはチーチーです。
「僕達生きものと同じくね」
「自然に生きていると嘘吐かないっていうからね」
 トートーはチーチーの言葉に応えました。
「だから妖怪もそうだよね」
「その辺り僕達と妖怪は似てるね」
 ジップはしみじみとした口調で言いました。
「嘘を吐かないところは」
「天邪鬼って妖怪は逆のこと言うらしいけれど」
「自然に近い妖怪は違うから」
 チープサイドの家族はこのことを指摘します。
「そう考えるとね」
「河童さんは嘘を吐いていないし」
「公平に接していい相手よ」
 ポリネシははっきりと言いました。
「先生がね」
「先生の言う通り人間でも信用出来ない人はいるから」
 ホワイティはこの真実をしてきました。 
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