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戦国異伝供書

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第百五話 氏康の治その二

「定める」
「ではこちらは」
「税はどうされますか」
「一体」
「軽くする」 
 氏康はまずはこう答えた。
「その様にする」
「軽くしますか
「民達のそれを」
「そうしますか」
「具体的には諸点役をなくし」
 そしてというのだ。
「貫高の少し、百のうち六の懸銭を納めさせる」
「そうしますか」
「これからの税は」
「そうしますか」
「あと百姓達に何かあると税を出させることもな」
 このこともというのだ。
「させぬ」
「その懸銭だけとし」
「そのまま北条家の蔵に入る」
「そうしますか」
「これなら税がそのまま当家に入り民も楽になる」
 そうなるというのだ。
「だからじゃ」
「これよりはですか」
「その様に税を軽くし」
「民を安らかにし当家に直接入る」
「そうしますか」
「あとわしにそのまま政の話が届く様にしたい」
 氏康はさらに政のことを話した。
「だから評定衆に対して不法を訴える目安箱を置く」
「そうしますか」
「領内に置きますか」
「それを」
「そうする、あと銭はな」
 今度はこれの話であった。
「永楽銭のみとする」
「色々銭はありますが」
「当家はそれのみとする」
 貨幣は永楽銭のみというのだ。
「よいな、そして撰銭令もな」
「それもですか」
「出しますか」
「そして精銭と地が悪い銭の混ざる割合も定める」 
 これも行うというのだ。
「それは吟味し考えたうえで定めるが」
「それでもですな」
「行っていきますな」
「そうしますな」
「そうする、あと反銭は米で納めることもよしとする」
 このことも行うというのだ。
「永楽銭百文につき米一斗二~四升とする」
「それで納めさせる」
「銭がないなら」
「それも許しますか」
「うむ」
 家臣達に確かな声で答えた。
「そうする、あと棟別銭は三分の二が麦でな」
「残り三分の一が銭」
「永楽銭ですな」
「そうしますな」
「正木棟別の制とする」 
 これも定めるというのだ。
「また麦の歩合は銭百文につき二斗五升」
「そうしますか」
「米とは別に」
「その様に定めますか」
「左様にする」
 こうもするというのだ。
「そちらもな」
「そして升もな」
「それもですか」
「定めますか」
「升についても」
「遠江の榛原升を使い」
 これに定めてというのだ。 
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