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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第八幕その十

「生水もよくないからね」
「殺菌していないとね」
「生水にも虫がいたりするから」
「飲んでも大変だから」
「そうしているわね」
「琵琶湖のお水もね」
 今調査しているそれもというのです。
「検査の結果安全だと出ているけれど」
「それでもよね」
「しっかりと沸騰させて」
「それから飲む様にしているわね」
「本当に生水は飲まない」
「何処でもそうしているね」
 動物の皆はまさにと言います、先生といつも一緒にいるだけあってこうしたことはよくわかっているのです。
「それから飲んでいるから」
「安全よね」
「本当に若し生水を飲んだら」
「一体どうなるか」
「わかったものじゃないから」
「気をつけてね」 
 そしてというのです。
「飲んでいるんだ」
「そうよね」
「そのことは絶対のことよね」
「旅をする時も」
「そして日常でも」
「今は水道水で」
 普段飲むお水はというのです。
「上水道ではしっかりと消毒されているね」
「濾過もされていて」
「徹底的に消毒されていて」
「物凄く奇麗になっているから」
「それで飲めるね」
「うん、けれどね」 
 水道水はそれでいいけれどというのです。
「本当にね」
「生水は危ないから」
「それでちゃんと飲む前に沸騰させる」
「そうしているわね」
「だからお魚も」
 今食べている鯉もというのです。
「同じだよ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと」
「どうしたのかしら」
「日本に来て本当に驚いたことは」
 それは何かといいますと。
「お魚だけでなく豚も生で食べることがあるからね」
「あっ、豚のお刺身ね」
「鹿児島の方にあったね」
「流石に豚肉も生で食べるとか」
「それは」
「史記にはあるよ」
 古典のお話にもなりました。
「中国の古いね」
「へえ、そうなの」
「昔の中国にはそうしたお話もあるの」
「豚肉を生で食べた人もいるの」
「うん、項羽と劉邦のお話の一つで劉邦の家臣の人が食べたんだ」
 そうしたことがあったというのです。
「その時もかなり特別なお話だったしね」
「じゃあその頃の中国でもだね」
「豚肉は生では食べなかったんだ」
「中華料理って絶対に火を通すけれど」
「その頃もだったのかな」
「その頃はまだ今みたいに何でも火は通していなかったよ」
 中華料理もというのです。
「けれどやっぱり基本生では食べなかったね」
「それで今もね」
「豚肉は生では食べないね」
「中国でも他の国でも」
「大抵は」
「日本もおおよそそうだけれど」
 それでもというのです。
「鹿児島でね」
「そうしたことがあって」
「それでだね」
「先生も驚いたんだね」
「まさかって思ったのね」
「そのまさかがね」
 まさにというのです。
「本当だったから」
「驚きだよね」
「豚肉を食べることはわかっても」
「それでもね」
「生で食べるなんてね」
「他の国にはないから」
「うん、牛肉や馬肉はわかっても」
 それでもというのです。 
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