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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第七幕その三

「流石に中々見付からないね」
「この琵琶湖にしかいなくて」
「しかも数が少ない」
「それでだね」
「うん、見付けること自体に苦労すると思っていたけれど」
 それでもというのです。
「実際にね」
「苦労してるね」
「今日はこのまま見付からないかな」
「そうかも知れないね」
「そうしたら明日だよ」
 今日見付からなくてもというのです。
「明日また探すよ、期限まではね」
「ずっと探すね」
「そうするんだね」
「そうするね」
「そうするよ」
 実際にというのです。
「頑張っていくよ」
「そうだね」
「じゃあ今日も探して」
「若し今日見付からなくても」
「明日探そう」
「そうしよう」
「そうするよ」
 先生も皆に応えてでした、そのうえで。
 皆で一緒にでした、船に乗ったままビワコオオナマズを探します。ですがこの日は残念ながら見付かりませんでした。
 それで先生はこの日の捜索と水質の研究を終えてでした、その後で。
 大津市の温泉に行ってそこでお風呂を楽しみました、サウナに入って水風呂にも入って湯舟にも入ってです。
 くつろぎながらです、先生は動物の皆に言いました。
「今日は見付からなかったけれどね」
「それでもだね」
「明日また探すね」
「そうするね」
「今日は駄目だったけれど」
「生物学は根気よくだよ」
 そうしてやっていくものだというのです。
「それこそね」
「長い時間をかけて」
「それでやっていくもので」
「だからだね」
「今回もだね」
「そう、一日や二日見付からなくても」
 かなり探してそうなってもというのです。
「諦めないことだよ」
「そこにいる生きものでもね」
「見付からない時は見付からないから」
「根気よく探す」
「そうした学問だね」
「一種類の生物を発見するのに何年かかることもあるよ」
 そうしたこともあるというのです。
「普通にね、だからね」
「今回もだね」
「じっくりと腰を据えて探す」
「そうするね」
「そうしていくよ、幾ら探しても見付からない時は見付からないから」
 そうしたものだからだというのです。
「本当にね」
「ここは腰を据えていこうね」
「明日も探していこう」
「焦らず苛立たず」
「そうしていくしかないから」
「まあ先生は焦ることも苛立つこともないけれど」
 ガブガブが先生に言いました、皆で湯舟に入って先生とお話しています。
「いつも落ち着いている人だからね」
「こうしたところ本当にいいと思うよ」
 トートーも先生に言います。
「学問は焦らず苛立たずっていつも言ってるから」
「そうなっても何にもならないって言ってるわね」
 ポリネシアも先生に言います。 
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