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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第六幕その三

「そのことは」
「どうもね」
「幾らいい人でも誤解されて敵が多いって」
「自分も困るよ」
 オシツオサレツもこう言います。
「生きにくいよ」
「実際石田三成さんも命狙われたし」
「それで嫌ってる人が皆敵に回ってね」
 老馬はそのことを言いました。
「付け込まれたうえで」
「それってかなりマイナスだね」
 まさにとです、ホワイティは指摘しました。
「その人にとっても周りの人達にとっても」
「若し石田三成さんの口が謙虚で空気も読めていたら」
 どうかとです、チーチーは言いました。
「味方の人がもっと多かっただろうね」
「そうしたら徳川家康さんに勝てていたかもね」
 トートーはその関ケ原のお話をしました。
「若しかしたら」
「歴史が変わっていたかも」
 こう言ったのはポリネシアでした。
「そう思うと余計に残念ね」
「人は誰でも欠点があるけれど」
 ダブダブはこのことから言いました。
「石田三成さんはそれが極端だったのね」
「それが自分にとってマイナスになる」
 こう言ったのはガブガブでした。
「覚えておかないといけないね」
「僕達にしてもそうだね」
 ジップの口調はしみじみとしたものでした。
「そのことは」
「そうそう、誰だって欠点あるね」
「誰でもね」
「そんな風だね」
「本当にね」
「だったら」
 本当にと皆言います。
「何かと気をつけないとね」
「誰でも長所と短所がある」
「性格もそうで」
「欠点は何とかしていく」
「それは絶対だね」
「僕もそう思うよ、僕も何かと欠点があるからね」 
 先生もご自身のことを振り返って言います。
「そこを何とかしないとね」
「駄目だよね」
「本当にね」
「そこを何とかして」
「ちゃんとしないとね」
「先生にしても」
「先生の欠点はね」
 性格的なそれはといいますと。
「やっぱり鈍感なことだね」
「温厚で公平で謙虚で真面目だけれど」
「それでもね」
「鈍感だからね」
「そこが問題だね」
「先生の鈍感さときたら」
 それこそというのです。
「何かと問題だから」
「もう絶対に気付かないから」
「あの人のことも」
「僕達も気が気でないよ」
「本当にね」
「しかし」
 ここでこうも言った先生でした。
「僕は鈍感なのは意識していても」
「うん、それでもだね」
「何に対してそうかは気付いてないよね」
「そこは僕達がわかってるから」
「フォローしていくわよ」
「先生の欠点はね」
「石田三成さんみたいなことにならない様にするわ」
 そこは間違ってもというのです。 
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