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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その十

「敵があの艦への確かな対策を出す前にだ」
「終わらせる」
「そうしてですね」
「サハラを統一し」
「あの艦を他国への武器にもしますか」
「そしてその間に我々はあの艦の弱点を補っていく」
 そうしたこともするというのだ。
「また他国もあの艦に気付いてだ」
「あの艦を開発、建造し」
「そうしてですね」
「対策も用意してくる」
「そうなりますね」
「これまでどの兵器もそうだった」
 人類の歴史に出た全ての兵器がというのだ。
「弓を発明すればな」
「その時はでしたね」
「他の国も弓を出しましたね」
「鉄砲も大砲もそうでした」
「戦車も飛行機も」
「あの艦も」
「常にそうだった、人は矛を造れば盾を造った」
 矛を防ぐそれをというのだ。
「もっと言えば強い矛を造ればな」
「堅い盾を造った」
「それの繰り返しですね」
「そうだった、そうして兵器も進化していった」
 これもまた人類の歴史だ、軍事技術もこうした形で進化していきこの時代でもそれは続いているのである。
「そのことからだ」
「あの艦もですね」
「やがて弱点が見付けられる」
「そしてですね」
「対策が用意される」
「そしてその対策はですね」
「我々も用意することになる」
 間違いなく、とだ。アッディーンは断言した。
「やがてな」
「他国のあの艦を開発、建造する」
「それで、ですね」
「そうしていきますね」
「我々にしても」
「そうなる、しかしそれはこの戦争の後にしておくことだ」
 今からはじまる戦争では、というのだ。
「この戦争ではだ」
「そうはさせない」
「決してですね」
「それで、ですね」
「あの艦を使えば」
「最早その時は」
「タイムリミットがはじまる、だからそうは使わない」
 ここぞという時でなければというのだ。
「若し私がシャイターン主席との戦いで使えば」
「そこからですね」
「国境ライン全土で使いますね」
「そしてティムールの防衛ラインを一気に破壊する」
「そうして勝ちますね」
「そうしていきますね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうして勝敗を決めるぞ」
「その後はですね」
「雪崩の様に攻めていきますか」
「敵の防衛ラインを破壊すれば」
「その時は」
「一気に敵の首都サマルカンドを目指す」
 この星系をというのだ。
「そうしていくぞ」
「あの星系をですね」
「作戦通り」
「防衛ラインを一斉に突破したなら」
「その時は」
「敵に反撃の余裕も与えない、若し少しの余裕を与えれば」 
 その時はというと。 
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