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星河の覇皇

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第七十五部第五章 宣戦布告その八

「むしろ虚を衝く」
「横や後ろから攻める」
「そうしてくるものだ、幸い人間の首は回る」
 視野は限られていてもだ。
「そして振り向くことも出来る」
「そうした動きが出来ますね」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「動きは柔らかくべきであるべきだ」
「緊張もですね」
「極度であるべきではない」
「こうした状況だからこそ」
「ましてや我を失うとだ」
 そうなってしまえばというのだ。
「尚悪い」
「確実に敗れますね」
「そうなってしまいますね」
「混乱状態に陥ればどの様な大軍でも敗れます」
「それこそ」
「百億の軍勢も敗れる」
 アッディーーンは数に例えて話した。
「それこそな」
「その通りですね」
「我を失い混乱してしまえば」
「最早どうにもなりません」
「敗北は必定です」
「そうなってしまいます」
「だからこそ我を保っておくべきだ」
 それも常にというのだ。
「緊張も然りだ」
「緊張し過ぎるとですね」
「我を忘れる」
「それを避ける」
「それが勝利の第一歩ですね」
「獅子が何故王者かということだ」
 百獣、即ちあらゆる獣達の中で最も強いかというのだ。
「そこに答えがある、では国境に着くとだ」
「その時にですね」
「宣戦布告を行い」
「それが終わったなら」
「動きますね」
「そうする、暫くは国境を巡ってだ」
 オムダーマンとティムールのだ。
「攻防が続く、若し損害が出てもだ」
「工作艦や工法の修理基地においてですね」
「修理を行い」
「負傷者も病院船や後方の病院も使い」
「治療を優先させてですね」
「予備戦力を前線に送る」
 負傷兵や艦艇と交代させてというのだ。
「そうして戦ってだ」
「そのうえで、ですね」
「勝ちますね」
「新たな戦力を次々と入れて」
「そのうえで」
「戦力が有利ならそれを使う」
 予備戦力も豊富ならというのだ。
「やがて相手が息切れするとだ」
「そこで、ですね」
「あの切り札も使いますね」
「あの艦を」
「そうもしますね」
「それは最初に来るかも知れないが」
 シャイターンとの最初のその時にというのだ。
「然るべき時が来た時だが、しかしだ」
「相手が息切れすれば」
「その時がまさに好機ですね」
「どちらにしても好機になれば」
「その時にですね」
「あの艦を動かす一番の好機だと思う、しかし他に好機が来ればだ」
 アッディーンがそうだと思った時はというのだ。
「動かしそしてだ」
「勝つ」
「そうしていきますか」
「そしてあの艦を使えば」
「そうしたならばですね」
「ティムールが対策を出してくる前にだ」
 まさにその前にというのだ。 
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