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ドリトル先生と琵琶湖の鯰

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第五幕その七

「その外見は」
「どうにもね」
「大柄で毛深くて髪の毛が縮れているとか」
「あと身体が赤いのもね」 
 チープサイドの家族は童話に出て来る鬼の外見を思い出していて言います。
「白いお肌って血が透けてね」
「赤くなるね」
「お肉を食べるのもね」
 このことはチーチーが言いました。
「肉食で白人だね」
「葡萄が好きで血を飲むって」
 ダブダブはこのことを指摘しました。
「血って赤ワインじゃないかしら」
「これ前から言われてたかな」
 こう言ったのはジップでした。
「僕達も聞いた気がするし」
「酒呑童子とかもそうだね」
 ホワイティは鬼の中でも特に有名なこの鬼の名前を出しました。
「日本人の感じしないね」
「人を食べていたことは作り話でも」
 それでもとです、ポリネシアは言いました。
「その外見は気になるわね」
「じゃあ白人の人も日本に来ていたのかな」 
 ガブガブはこう考えました。
「それで鬼と思われたのかな」
「戦国時代に来た白人の人達も鬼って言われてたみたいだし」
 最後に老馬が言いました。
「今も野球の助っ人で赤鬼とか言うね」
「そうした説もあるよ、僕も鬼の外見は白人だと思っているよ」
 先生にしてもでした。
「ペルシャ辺りから東アジアに来た人が海に出てね」
「日本に来て」
「それでなんだ」
「山に棲んでいて」
「鬼だって思われたんだ」
「酒呑童子がそうみたいだね、ナマハゲは漢の武帝と関係があるとされているけれど」
 それでもというのです。
「これは伝説にしてもね」
「漢の武帝って中国の皇帝さんだよね」
「紀元前の頃の」
「仙人とか好きだったみたいだけれど」
「あの人が日本に来ていたとはね」
「考えられないわね」
「これはないと思うよ」
 先生は皆にお話しました。
「流石にね」
「そうだよね」
「幾ら何でもそれはないわね」
「皇帝さんがどうして日本に来ていたか」
「それ自体がどうして、だしね」
「これは伝説だと思うよ、ただね」
 それでもというのです。
「ナマハゲの姿も鬼だね」
「というかあれ鬼だよね」
「どう見ても」
「あの姿は」
「ナマハゲも」
「あれも白人じゃないかな」
 先生は腕を組んで考えるお顔で言いました。
「僕はそう思うよ」
「ううん、大昔に白人の人も日本に来ていて」
「その人達も鬼かも知れないのね」
「そう思われていた」
「その可能性があるのね」
「どうもね、しかしね」
 さらに言う先生でした。
「日本は山のことも色々学べるね」
「全くだね」
「何かとね」
「面白いことがわかるわね」
「学んでいると」
 動物の皆は先生のお話に応えます、そしてです。 
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