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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その二十六

「敵を前に団結する」
「いささかだが多くの複雑の解消の為にだな」
「そうしています」
「連合にも差別はあるのだな」
「時たま軽い衝突が起こる程度ではありますが」
 デモから喧嘩になったりするがそこから暴動になることは稀だ。二十世紀後半のアメリカの人種問題よりは遥かに軽いものではあるがその問題の数が多いのだ。
「その雑多な社会故にある摩擦をです」
「外に逸らしもしているか」
「最悪新国家を築いてもらう」 
 被差別勢力にだ。
「そうしてもらうこともです」
「あるか」
「はい、中央政府の了承を得て」
「そうして国家も立ちあげられているな」
「連合では」
 まさにというのだ。
「そうしたこともありましたし」
「差別はだな」
「あります、ですがそれでもです」
「あの国は他の知的生命体による受け入れはよりか」
「はい、容易です」
 そうだというのだ。
「我が国よりも」
「むしろか」
「そうした国です」
「そして彼等が最も遭遇する可能性は高いか」
「そう見ています、何しろ銀河の大半を領有し」
「国境もだな」
「広いですし外にどんどん観測用流星を送っていますので」
「それでだな」
「はい、あの国は銀河の端から中央に向けて進出してきました」
「最初からかなり広かったがな」
 その建国からとだ、クリシュナータは指摘した。
「当時人類が掌握出来る限界まで領土を持っていた」
「銀河系の」
「そこからさらにだったな」
「はい、拡大してです」
「今に至るな」
「まさにフロンティアでした」
 連合が獲得していった領土、つまり星系はというのだ。
「彼等にとって、そしてそのフロンティアにはです」
「今のところ他の知的生命体は存在しなかったな」
「生物が存在している星は多かったですが」
 その数はだ。
「銀河の惑星の中ではその割合は僅かですが」
「生物が存在している星は少ない」
 銀河の二千億と言われている星系の中に平均して幾つかずつある惑星そしてその惑星の周りにある衛星達の中でだ。
「その割合はどうしてもな」
「僅かです」
「そしてその中から文明が生じる可能性はな」
「さらにです」 
 その可能性がというのだ。
「少なくなります」
「そうなるな」
「はい、天文学的な割合ですが」 
 銀河の中に生物が存在している惑星がある確率はだ。
「そこからさらにです」
「文明があるとなるとな」
「天文学的です、むしろです」
「むしろ、か」
「人類がそうであった様に銀河の辺境にあるのでは」
 そうした文明はというのだ。
「これは私の予想に過ぎませんが」
「太陽系も銀河の端にあるしな」
「ですから」
 それでというのだ。
「他の文明もです」
「少なくとも銀河の中央には存在しなかった」
「ならば残りとなりますが」
 これまで人類特に連合が所有してきた何百億という星系とそこにある星達には存在していなかったのだ。 
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