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星河の覇皇

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第七十五部第四章 慧眼その二十四

「あまりにも寒冷で土地も痩せていて」
「農業はあまり出来ずな」
「漁業や狩猟等で暮らしていましたが」
「しかしです」
 それでもというのだ。
「それではとても足りず」
「他の地域に出てな」
「荒波を越えるという危険を冒して」
 そうまでしてというのだ。
「交易、そしてです」
「武力による略奪をだな」
「行っていました」
 そうだったというのだ。
「ですから」
「彼等も生きる為にだな」
「危険を冒していました」
「荒い北の海を越えてな」
「戦い略奪しようとしていました」
 バイキング側も当然略奪の中で犠牲者が出ていた、戦えば命を落とす危険があるのは言うまでもない。奪われる方も奪われたくない為に必死なのだから。
「そこまでして生きねばなりませんでした」
「そして満ち足りていれば」
「バイキング達もです」
 戦ってきた彼等もというのだ。
「その必要はありませんでした」
「そういうことだな」
「はい、ですからどの文明もです」
「満ち足りていればな」
「元々が好戦的でもない限りはです」
 それこそというのだ。
「戦争なぞしません」
「そうなるな」
「はい、そもそも宇宙に出る位進歩していれば」
「それだけの技術があるからな」
「農業の生産も確かで」
「餓えなぞな」
「ありません」
 そうしたものは克服されているというのだ。
「他の産業もです」
「充分だな」
「ですから後は適度な勢力圏さえ保障すれば」
「連合各国の様にな」
「それで生きられるのですから」
 戦争はせずにというのだ。
「済みます」
「その通りだな」
「はい、そして」
 さらにと言うジャバルだった。
「彼等が我々より勢力が遥かに小さく文明レベルも低いなら」
「彼等が望めばだな」
「国家の主権は保証し」
「そのうえでだな」
「我々の中に迎え入れる」
「国家連合の中にな」
「それも可能です」
 こうクリシュナータに答えた。
「他の知的生命体でも」
「連合なら余計にだな」
「あの国は特にです」
「そうしたことが容易か」
「確かに他の知的生命体の受け入れは困難です」
「人類ではないからな」
 それは何故か、クリシュナータはわかっていた。このことは文章ではこれだけだが問題は一文では終わらないことだ。
「それだけにな」
「非常に難しい問題です」
「人間であるかないかはな」
「種族としてのそれは」
「同じ人間でもだ」
 その同じ種族でもとだ、クリシュナータは人類の過去の歴史から話した。 
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