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星河の覇皇

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第七十五部第二章 開戦直前その十二

「敵の虚を衝きダメージを与えていく」
「そうして精神的に消耗もさせていく」
「ゲリラ戦はそうしたものですが」
「ティムール軍はそうしたことも考えていますか」
「彼等の領内での戦いになりますと」
「地の利を使ってな」
 彼等のそれをだ、ゲリラ戦は自分達がその土地を熟知してこそ出来る戦い方だ、これは都市のパルチザンも同じで彼等はパリ等でマンホールの下の地下道を行き来したりして戦っていた。
「そうしてくる」
「その場合はですね」
「注意すべきですね」
「思わぬ損害を受け消耗していく」
「特に精神的に」
「だからですね」
「その際は、ですね」
「迂闊に進まないことだ」
 進撃をしてもというのだ。
「勝っていてもな」
「決して、ですね」
「細かい道を見付けていき」
「そのうえで進んでいく」
「そうしないといけないですね」
「偵察艇を多く出してだ」
 艦隊の各艦艇からというのだ。
「そうしてだ」
「道を探し」
「そして少しずつ進む」
「ティムール領内に入っても」
「そうしてもですね」
「そうしていく、そして我々が攻められるとだ」
 自分達が劣勢になった場合についてもだ、アッディーンは話した。
「その場合はな」
「手筈通りですね」
「今度はこちらが防衛ラインを固め」
「そうしてですね」
「機を窺いますね」
「そうする、その場合も既に考えておいたが」
 アッディーンはシャイターンを決して侮ってはいない、むしろ高く評価している。だからこそ自分達が敗れ劣勢になった場合の作戦も考えているのだ。
「その時にはな」
「今度はですね」
「我々が逆に防衛ラインを敷き」
「そのうえで守り」
「機会を伺いますね」
「内線防御となるが」
 自国の領内での防衛である、言うまでもなく戦争としては出来るだけ避けたい状況の戦争である。
「その場合でもな」
「粘り、ですね」
「そうして戦い」
「また機会を見て」
「そうして戦いますか」
「その通りだ、だがまずは様子を見てだ」
 各軍はというのだ。
「そして私はだ」
「ご自身の軍を率いられ」
「そうしてですね」
「シャイターン主席が率いる軍と戦う」
「そうされますね」
「そうだ、私は負けはしない」
 絶対の自信に基づいた言葉だった。
「何があろうともな」
「決してですね」
「負けはせず」
「そうしてですね」
「戦っていかれますか」
「そうする、では進んでいく」
 国境までだ、こう話してだった。
 アッディーンは軍司令達との話を終えてそうしてアリーをさらに進ませていった。その中でだ。 
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