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ドラえもん のび太の転生ロックマンX(若干修正版)

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ストーム・フクロウル

レプリエアフォース 空中戦艦

小型飛行艇でエアフォースの空中戦艦に乗り込んだゼロは、様子を窺いながら内部へと侵入していた。幸い、表ではイーグリード率いる第7空挺部隊が足止めをしているため、ライドアーマー隊は殆ど出払っていた。ゼロは警備用に配備されたメカニロイドをセイバーで斬り捨てて奥へと進んで行く。

「イーグリードの奴、どうやら表でうまく部隊を誘導してくれているみたいだな。」

ゼロはそう言いながらも内心では急いでいた。

イーグリード率いる第7空挺部隊は確かに優秀ではあるがレプリエアフォースのフクロウルは、知略戦においてはレプリフォース中随一のレベルを誇ると言われている。それにライドアーマー隊の搭乗している機体は、イレギュラーハンター側がキメラの換装したホークにさらに改良を重ねたホーク・改に対してレプリフォースの主力は空中での迎撃・防衛戦用に新規採用されたライドアーマー イーグルとなっている。性能的にもやはりレプリフォース側の方が有利でイーグリードが劣勢に陥るのも時間の問題だ。

『ゼロ、聞こえる?』

アイリスの通信が入る。

「あぁ、聞こえる。」

『フクロウル参謀は、知略戦でもレプリフォース随一を誇るけど実力も参謀の名に恥じない実力の持ち主よ。気をつけて。』

「そうか。すまないな、アイリス。」

『ううん、私だってゼロにいなくなってほしくないから・・・・・無茶しないでね。』

「・・・・・・・・・あぁ。」

ゼロは、それだけ言うと通信を切った。頭には未だに夢の光景の数々が消せずにいた。

「・・・・・・・今はこっちを片付けるのが先だからな。」

ゼロは気を引き締め直してトゲ床が設置されている場所をリフトで進んで行く。

「ん?」

不自然に開いている天井の穴に目が付き、ゼロは空円舞と壁蹴りを利用してよじ登ってみる。そこにはやはりカプセルがあり、開くとライトが姿を現した。

『ゼロ、また会ったのう。』

「Dr.ライト、また貴方か。っとなるとここにもエックスの強化パーツが?」

『ここには、エックスの新たなアームパーツを隠しておいた。しかし、これまでのエックスの使用も考えて今回は二種類用意しておいた。用途に応じて使い分けてほしいとエックスには伝えておいてほしい。』

「二種類!?」

『一つは、エックスの精密射撃に合わせて調整したストックチャージショットじゃ。エネルギーチャージに通常よりも時間を要するが、より高密度なエネルギーを集束させ、チャージショットを4発連続で放てるようにしてある。これによって、撃った直後の再チャージの時間を抑えることができる。そして、もう一つは、ドラえもんのアームパーツに採用したプラズマチャージショット。後、これはドラえもん用のボディパーツじゃ。こちらはエックスのノヴァストライクではなく、以前採用したギガクラッシュを使えるようにしてある。』

「・・・・・・・」

『・・・・・・?ゼロ、どうかしたのかね?』

「ん?い、いや、実は気になることがあって。」

無言になっていたゼロを気にしてライトは声を掛ける。

『気になること?』

「・・・・・・Dr.ライト。貴方がエックスの生みの親なら知っているかもしれないがエックスに酷似した少年型のレプリロイドについて何か知らないか?」

『!?』

ゼロの言葉を聞いてライトは一瞬驚く。

『・・・・・・何故、そのことを?』

「夢の中でその少年と戦った。そして、容赦なく右腕を吹き飛ばしていた・・・・・・何か知ってはいないか?」

『・・・・・・いいや。生憎、わしもそのことに関しては君の夢を見ているわけではないからよくわからない。ひょっとすればプログラムのエラーによって見たものかもしれん。忘れた方がいいじゃろう。』

「・・・・・・そうか。」

ゼロはそう言うとライトからパーツを受け取ってその場を後にする。

『・・・・・・・まさか、あの時ロックにあそこまでのダメージを与えたのは・・・・・ゼロ。君だったのか?』

ライトは一人何かを悟っていた。



























空中戦艦 管制室

「フクロウル参謀、イレギュラーハンターゼロが船内に侵入し、防衛システムを次々と破壊しています!!」

管制室では、エアフォース兵士たちが慌ただしく対応をしていた。それに対してフクロウルは、厳格な表情をしていた。

「・・・・・小童が、味な真似をしてくれたものだな。」

彼は椅子から立ち上がる。

「いかがなされますか?」

「別艦に待機しているペガシオン隊長もこちらに呼び戻した方が・・・・・・・」

「いや、ペガシオンには消耗したライドアーマー隊を回収させて、この場から離脱しろと伝えておけ。」

「はっ?」

まさかの指示に通信係の一人が驚きの表情をする。

「・・・・・この戦い、すでに我々が優位に立っている。態々ペガシオンの手を借りるまでもない。」

フクロウルは、モニターの一角に指をさす。モニターには、レプリフォースのイーグルと第7空挺部隊のホーク・改の部隊が交戦し、イーグルが次々とホーク・改を撃破している。イーグリードも前線でイーグルを次々と撃ち落としてはいるものの劣勢であることには変わらない。


「この勝負、最早勝敗は決まっている。お前たちは、引き続き前線の部隊に攻撃の姿勢を緩めるなと伝えておけ。」

「参謀はどうするのですか?」

「・・・・・・私とてレプリフォースの参謀だ。乗り込んできたムシケラをこのままおめおめと逃がしはせん。我が軍を敵に回した報いを受けさせてくれるわ!!」

フクロウルは息を荒くしながら言う。その様子を見て管制室は気まずい空気に包まれる。

(あっ、やばい・・・・・・参謀のやばいスイッチが入った・・・・・・)

(こうなると誰の話も聞いてくれないんだよなぁ・・・・・・)

(これがなければ本当にいい参謀なんだけどな・・・・・・・)

(この間もイレギュラー認定されたとき、将軍に止められなかったら危うく街に総攻撃しに行くところだったし・・・・・)

管制室にいる兵士一同はフクロウルの機嫌を悪くしないよう言われた命令を素直に聞き入れる。


























ハンターベース

一方、ハンターベースでは

「う~ん~」

「何そんな深く考え込んでいるの、ジャイアン?」

ハンターベースで待機しているジャイアンたちは、各部隊の手伝いをしながらもエックスたちの無事を願っていた。

「いやよぉ・・・・・・・本当にゼロ一人にいかせて大丈夫だったのかよ?」

「でも、今回は敵の部隊のど真ん中に乗り込むんだよ。しかも、のび太を助けに行った時と違って本場の軍隊の中に。そんなところに一緒に行ったら流石に迷惑だよ。」

「んん・・・・・・・・でもよ、なんかしら出来ることはあると思うんだよな・・・・・」

「なら、少しでものび太さんたちの手伝いになれるように目の前の仕事に集中しましょう。」

どうも納得いかないジャイアンに対してしずかは荷物を運びながら言う。

「しずかちゃん・・・・・・俺はそう言う意味じゃなくて・・・・・・」

「お~い~!心の友よ~!」

「ん?」

ため息をつきながら作業を再開するジャイアン向かって声を掛けてくる者がいた。声がした方を見るとそこには、かつてドップラーの反乱時に会ったエレキテル・ナマズロスだった。

「おぉ!?心の友よ!!どうしたってんだよ!こんな危ない時期に!?」

「オデもじっとしていられないもんで手伝いに来たど!そんだけでねえ!他の仲間たちも呼び集めできたど!」

ナマズロスの後ろではかつてエックスに助けられた他のレプリロイドたちも駆けつけていた。

「おぉ~!!心強いじゃねえか!!」

「あら・・・・・・大勢で来ちゃったね・・・・・」

自分たちだけ燃え上がっているジャイアンたちに対してスネ夫はどうツッコめばいいのか分からなくなる。

その時ハンターベース全域に警報が鳴りだす。

『非常警報、非常警報!!各部隊のハンターは配置に付け!!各部隊のハンターは配置に付け!!』

「「な、なんだっ!?」」

せっかく盛り上がっていたジャイアンとナマズロスは何事かと警報を聞く。

『後、◯◯分後にレプリエアフォースが防衛エリアに到達!地上での迎撃準備せよ!繰り返す・・・・・』

「「なんだって!?」」

「何?何の騒ぎ!?」

そこへ丁度スティングレン討伐から帰還してきたマーティが合流してきた。

「もうすぐ敵が来るんだって!?」

「ゼロは何やってんのよ?取り敢えず、管制室に行くわよ!」





























ハンターベース 管制室

「敵の距離は!?」

「後◯◯キロ!第7空挺部隊、押されています!」

「市民の地下シェルターへのは避難は!?」

「まだです!」

管制室では、各オペレーターが対応に追われていた。ジャイアンたちが慌ただしく来たときは、ちょうどエックスとドラえもんも戻ってきていた。

「エックス!」

「マーティ、無事に戻ってきたんだな。よかった。」

「えぇ・・・・・・でも、喜んでもいられない状況ね・・・・・」

「今、飛行艇の手配をしている。イーグリードの部隊も押されているからなんとかしないと・・・・・・」

「でも、流石にあの数の敵を倒すのは無理だよぉ。」

エックスの意見に対してドラえもんは言う。確かにレーダーの反応を見る限り敵の懐に乗り込んだところでどうにかなるレベルではない。増して単独で乗り込んだゼロからも状況はわからないが連絡が取れない状況だった。

「ちくしょう!なんとかなんねえのかよ!」

「何とかってねえ・・・・・・・敵がみんなジャイアンの歌を聴けば気絶してぜ・・・・・」

「俺の歌がなんかいったか?」

「い、いえ・・・・なんでも・・・・・・」

「!そうだ!」

スネ夫を睨みつけるジャイアンに対してエックスは何かひらめいたようだった。

「アイリス、デスログマーへの転送はできるか?」

「えっ?ちょっと待って・・・・・・・・・まだ、できるわ。」

「そうか・・・・・」

「先輩、何を考えているんデシ?」

「・・・・・・あるにはあるんだ。この状況を打開できる方法が・・・・・・・」

「え、エックス・・・・・それってまさか・・・・・・・・」




























デスログマー

「イーグリード隊長!これ以上は姿勢を維持できません!」

デスログマーは、レプリエアフォースの空軍部隊の猛攻により既に激しい損傷を受けていた。当のイーグリード本人も右腕が吹き飛び、隣でティルが応急処置をしている。

「クッ・・・・・・・流石はレプリフォース随一の知略家と言ったところか。」

このままでは全員の命が危ぶまれる。

「止むを得ん。総員、退艦準備・・・・・・・」

「イーグリード!」

退艦命令を出そうとしたとき、管制室にエックスたちが乗りこんできた。

「エックス!?どうしてここに!?」

「転送装置で来たんだ。通信室は使えるか?」

「えっ?」

「・・・・・つ、通信室はまだ無事なのかって聞いているの。」

顔色が芳しくないマーティは、言う。

「ま、まだ使えるが・・・・・・」

「ドラえもん。」

「うん。」

2人は真剣な顔である作戦を伝える。


























レプリエアーフォース 空中戦艦 甲板

「どうした若造!」

「くっ!」

そんなエックスたちの作戦が進んでいる頃、ゼロはフクロウルを相手に苦戦していた。

「雷神撃!!」

「なんの!」

ゼロのセイバーの攻撃を避けフクロウルは足のガキ爪で彼の両肩を掴む。

「なっ!?」

「ホ~ホッホッホッホ!」

一同空中に持ち上げると彼は甲板にゼロを叩き付ける。ダメージの重さもあり、ゼロの視界がぐらつき始めた。

「うぅ・・・・・」

「人の船に土足で上がり込んだだけのことはある。だが、我々を敵に回したのが間違いだったようだな。」

勝負が見えたと判断し、フクロウルは風の弾「ダブルサイクロン」をゼロに向かって放つ。ゼロはたちまちダブルサイクロンに包囲された。

「カーネルが認めた男を殺すには惜しいが・・・・・・・・せめて楽に逝かせて・・・・・」

『参謀!!』

「うん!?」

突然の通信でフクロウルは攻撃をやめる。

「何事だぁ!?」

『つ、通信が何者かにジャックされました!』

「何!?」

『いくらモニターを切り替えてもゴリラとナマズしか映りません!!』

「ゴリラとナマズ?」

フクロウルは、携帯している小型テレビフォンを取り出す。そこにはいかつい恰好をした二人組がマイクを持っている姿が写っていた。

「な、なんだ?この二人組は?」

「剛田?それと隣にいるのは確かナマズロス・・・・・・・・」

『あ、あ、あっ・・・・・今マイクのテスト中・・・・・』

「何だこのふざけたものは!?」

フクロウルは電源を切ろうとするがどういうわけか切れなかった。すると二人の前に顔を真っ青にしたスネ夫が現れこう言った。

『えっ、え~レプリフォースの皆様方。これより、ジャイアンこと歌手 剛田武とその相方 エレキテル・ナマズロスの「ストロング・スパーキングズ」の和解コンサートを開催したいと思います・・・・・・・じゃ、ジャイアン。何か言う事は?』

『みんな!争いごとは良くねえ!』

『オデたちの歌を聞けェ!!』




『『ボエ~~~~~~~!!!!!』』

《/xbig》


「オエ~!!な、なんなんだ“この世にも悍ましい歌”は!?」

フクロウルは思わず耳を押さえる。

彼だけではない。レプリエアフォース全部隊(離脱したペガシオンは除く)にこのコンサートが大音量で中継されているのだ。

ちなみに中継を行っているデスログマーは自動操縦に切り替えられ、エックスたちは転送装置でジャイアンたち2人を残して引き上げている(スネ夫もさっさと逃げました)。

「は、早く回線を切れ!!」

『無理です!!いくら押しても切れないし、他の部隊に連絡しようにも・・・・・うわぁあああああ!!頭が割れるゥぅうウウ!!!』

「お、おい!?」

部下からの通信が切れる。同時に殺人音波ともいえるコンサートはさらにエスカレートしていく。

「クッ・・・・・・噂には聞いていたがこれほどとは・・・・・・・・」

ゼロも思わず苦しんでいた。そこへどこでもドアが現れ、エックスたちが出てくる。

「え、エックス・・・・・・?」

「ごめんよ、ゼロ。君には悪いと思ったけどこれしか方法が思いつかなかったんだ。」

エックスはゼロを回収すると急いで戻って行った。

その間にもレプリエアフォースの部隊は次々と凄まじいジャイアンたちの歌によって撃沈していく。

「そ、そうだ!聴覚回路を切れば・・・・・・・・・だ、ダメだ・・・・・意識が持たん・・・・・・・・・・・・」

やっと解決策を思いついたフクロウルだったが時すでに遅く、自分も含めて全部隊がジャイアンたちの歌の前に気を失った。

同時に空中戦艦の多くが制御を失い、至る所に撃沈。イレギュラーハンターは、撃沈によって起こった火災の消火とレプリフォース兵士の救助活動に追われてしまったものの市街地への被害は食い止められたためある意味でジャイアンとナマズロスに感謝した。

ちなみに2人は、デスログマーがハンターベースに戻ってくるまでレプリエアーフォースが全滅したとも知らずに歌い続けていた。

























レプリエアフォース ペガシオン艦

「ペガシオン隊長、大変です!フクロウル参謀の乗艦含める本隊が全滅しました!?」

「何っ!?」

後方にいた故に本部へ帰投しろと言われて引き上げている最中だったペガシオンの部隊は、本隊が全滅したという報告を受けて唖然とした。

「あのフクロウル参謀が・・・・・・・・ま、まさかハンターにやられたのか!?」

「い、いえ・・・・・・どうやら敵の新兵器のようです。」

「新兵器!?そんな情報聞いていないぞ!?」

「しかし、優位だった本隊が我々が撤退して一時間も経たないうちに全滅するというのは・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

ペガシオンは、この時ジャイアンの歌をイレギュラーハンター側の新兵器と勘違いした。


























翌日 ハンターベース 治療室

「しかし、大事に至らなくてよかった。」

治療室では、ゼロが集中治療を受けていた。回収されたフクロウル含めるレプリエアフォース兵士は、気を失ったこと以外に関しては特に問題はなく全員留置場送りとなった。

「しかし、ジャイアンの歌が相変わらずだったね。あまりの下手さに・・・・・・・・・」

「「誰が下手だと!?」」

「あっ、やば・・・・・・・」

うっかり口を滑らせ、スネ夫はその場から逃げて行く。

「待ちやがれ、スネ夫!!」

「逃がさねえど!」

ジャイアンとナマズロスはスネ夫の後を追う。そんな様子に呆れながらもエックスたちは、寝かされているゼロの方を見る。

「ゼロも悪かったね。」

「いや、剛田たちに助けられたのは事実だ。あの歌がなければ街にも被害が及んでいたし、フクロウルも含めて多くのレプリフォース兵士が破壊されていたのかもしれないからな。」

アイリスに介抱されながらゼロはベッドから上半身を持ち上げる。

「そう言えば、急造品だけどケイン博士が近いうちにバスターのICチップをゼロさんに渡すって言ってたよ。」

「本当か?」

「でも、まだ調整ができていないからエックスみたいな撃ち方はできないって言ってたわよ。取り付けてみないとわからないそうだけど。」

「・・・・・・その時は何とかカバーするさ。」

「でも、ゼロ隊長も無理しすぎですよ。心配しているアイリスさんの身にもなってください。」

「えっ!?」

ホーネックのさりげない言葉にアイリスは顔を思わず赤くする。

「もう、貴方からの連絡が途絶えてからアイリスさんがどれだけ不安になっていたやら・・・・・隊長も彼女のことを考えてこう・・・・・・」

「ほっ、ホーネックさん!!そ、それ以上は!?」

「えっ?私何か言いました?」

顔を真っ赤にして慌てて止めるアイリスにホーネックはキョトンとする。それを察したエックスたちは、そろそろ部屋から出ようと考えた。

「じゃあ、ゼロ。俺たちもまだやることがあるから。」

「えっ?いや、俺もそろそろ・・・・・・」

「アンタは、ここでお留守番。外でラッシュを見張りに付けるから逃げたらだめよ。」

「ゼロさん、偶にはゆっくりどうぞ(温かい目)。」

「アイリスさんも最近大変だったからもう少し休んでてくださいね。」

「ばいば~い!」

「「・・・・・」」

2人だけ残して一同は部屋を後にする。ゼロとアイリスは、しばらく顔を合わせるが何とも言えない顔だった。

「・・・・・どうすればいいんだ?」

「さ、さあ?」

ゼロは困った顔をする。

「・・・・・・・アイリス。」

「ん?」

「・・・・・既にレプリフォースの大半が俺たちに討伐されている。お前の知り合いも含めて。」

「・・・・・・うん。でも、それは仕方のない事だと思っているわ。こっちに付いた私が言うのもなんだけど・・・・・」

「いずれカーネルの方から俺たちに挑んでくることも否定できない。俺やエックス、ドラえもんたちもそうだができればカーネルを死なせたくはない。できるのなら、今回のフクロウルやスパイダスの時のように拘束で済ませたい・・・・・・だが・・・・・・・・」

「?」

途中で言葉を止めるゼロに対してアイリスは、不思議がるがよく見るとゼロの手が震えていることに気がつく。

「俺は・・・・・・カーネルを死なせてしまうのかもしれない・・・・・よくわからないがそうなってしまうのではないかと不安になって仕方ないんだ・・・・・・ドラグーンの時も俺はあいつを助けてやることができなかった・・・・・・・」

ゼロは、未だに映る自分の記憶の断片を思い出す。



大量のレプリロイドの残骸。

真っ赤に染まった自分の手。

右腕を吹っ飛ばした上に痛めつけられた親友によく似た青い少年。

もしかすれば、カーネルは愚か目の前にいるアイリスですら破壊してしまうのかもしれない。

そう思えてしょうがないのだ。


「・・・・・・・」

そんなゼロの震える手をアイリスは優しく包んだ。

「!」

「大丈夫、きっと兄さんのことは止められるわ。」

アイリスは、優しい目でゼロに言う。

「アイリス・・・・・・・」

「今までだってゼロたちのおかげで解決できたもの。きっと兄さんを止められるはずよ。それに・・・・・・・・」

アイリスは、ゼロを強く抱きしめた。

「私・・・・・・・もしゼロがいなくなったら・・・・私・・・・私・・・・・」

「・・・・・・・・ありがとう、アイリス。」

ゼロもアイリスのことを抱きしめた。



絶対に止めてみせる。

そう固く誓いながら・・・・・・・・・・
 
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