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八条学園騒動記

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第五百七十一話 差し入れその三

「ここ連合だから」
「絶対に売れないわね」
「マハラジャタウンから食べに来るだろうけれど」
 ネロもケーキを食べつつ言う、今彼が食べているのはモンブランで他のケーキに目をやることも忘れていない。
「連合の人はね」
「来ないよね」
「口に合わないと」
 それならというのだ。
「イコールまずいだから」
「それ厳然たる問題だよね」
「そう、だからね」 
 それでというのだ。
「連合でマウリアの味を出したら」
「駄目だね」
「そこがわかってるのが」
 まさにとだ、ネロはまた言った。
「セーラは流石だよ」
「セーラって経営者でもあるしね」
「家の会社のうち幾つかの社長さんだし」
 そこからの収入は全てセーラのポケットマネーになっている。
「それで経営もわかっていて」
「お金儲けも出来る」
「流石と言うか何と言うか」
「セーラは凄いね」
「こうしたこともわかっているなんて」
「お陰でね」
 七海は今度はこう言った。
「今美味しいもの食べられるのよね」
「そうだよね」
 マルティは七海のその言葉に頷いた。
「それは」
「ええ、セーラ様様よ」
「本当にそうだね」
「ちゃんと連合の味に合わせてくれて」
 それでというのだ。
「アドバイスしてくれたのよ」
「そうなんだ、それで誰が作ったのかな」
 ネロは肝心の調理担当のメンバーのことを聞いた。
「一体」
「テンボとジャッキーよ」
「えっ、あの二人なんだ」
「あの二人実はね」
 レミはネロにさらに話した。
「お料理の才能はあるみたいなの」
「意外だね」
「私も最初聞いて」
 二人が作ったと聞いてだ。
「まさかと思ったけれど」
「本当になんだ」
「凄い手際て素早くね」
「これだけのお料理作ったんだ」
「しかもセーラの注文に合わせて」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「作ったんだ」
「そうだったのよ」
 これがというのだ。
「本当に意外でしょ」
「意外も意外で」
 ネロは苺のケーキを食べつつ話した。
「正直驚いてるよ」
「そうよね」
「というか探偵やるより」
 七海はチーズケーキを食べている、二人が作ったこのケーキも実にいい味で七海も食べて楽しんでいる。
「どうもね」
「こっちの方がよね」
「いいじゃない」
 こう言うのだった。
「向いてるわよ」
「私もそう思うわ」
「というかあの二人ね」
「探偵だとね」
「もう何もかもがね」
 それこそというのだ。 
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