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八条学園騒動記

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第五百七十一話 差し入れその二

 三人でケーキを食べていった、するとまずは七海が言った。
「あの、どのケーキもね」
「連合の味でしょ」
「私一回マハラジャタウンでケーキ食べたけれど」
 こうレミに話した。
「洒落になってない位甘かったわ」
「殺人的な甘さよね」
「カリーは死ぬ位辛くて」
 それでというのだ。
「ケーキはね」
「そうした甘さで」
「正直食べ終えるのに苦労したけれど」
「このケーキは連合の味でしょ」
 レミは七海にまたこう言った。
「だからね」
「食べられるわ」
「そうでしょ、セーラはね」
「連合の味にしたのね」
「マウリアの味にしなかったのよ」
 あえてというのだ。
「味見でオッケー出したのは」
「そうなのね」
「セーラが言うには」
 レミはさらに話した。
「連合だから連合の味でないとね」
「売れないのね」
「だから」
 それでというのだ。
「合わせたらしいのよ」
「商売の考えね」
「セーラが言うにはマウリアって商売の国らしくて」
 セーラのその考えをこう解釈したのだ、実際にセーラもその考えで以てレミに話した。つまり相互理解が出来ているのだ。
「相手に合わせることもね」
「商売の基本で」
「連合の味にしたらしいのよ」
「成程ね」
「ちなみにレシピも用意してくれたわ」
「お砂糖とかの配分も決めたのね」
「本当にマウリアの味は食べられないそうだから」 
 連合の者にはというのだ。
「だからね」
「そういうことね」
「というかマハラジャタウンのマウリア人向けのお菓子とか」
 マルティはそのケーキ達を美味そうに次々と食べつつ話す、食べる勢いは三人の中で一番だ。
「僕もね」
「食べられないのね」
「どうもね」
 こうレミに答える。
「甘過ぎて」
「マルティでもそうなのね」
「というかあそこの甘いカリーって」
 マルティはマウリアの代名詞であるこの料理の名前を出して話した。
「お砂糖十キロ入れるとか」
「確かにするわね」
「一キロの袋を十ね」
「あれはね」
 レミにしてもだった。
「ないわね」
「そこまで入れるとかね」
「しかも本来なら九袋を」
 つまり砂糖を九キロ入れるのだ。
「もうついでにって」
「一袋入れるから」
「僕料理番組観ていて驚いたよ」
「私もよ、甘過ぎて」
 それでというのだ。
「あれはね」
「食べられないね」
「それが番組だけじゃなくてね」
「実際にマハラジャタウンでも売ってるから」
 その異常に甘いカリーがというのだ。
「食べたらね」
「死にそうになるよね」
「文字通り殺人的な甘さだから」
「あの味をお店に出したら」 
 文化祭の喫茶店にというのだ。 
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