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八条学園騒動記

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第五百七十話 タイツはないその十二

「いいかな」
「そうなんだね」
「それよりも夏は涼しくて」
「冬は暖かくだね」
「そうしたことの方が大事だよ」
 ネロに自分の考えを話し続けた。
「やっぱりね、ただ恥ずかしい恰好は」
「それはだね」
「あまりね」
 どうにもというのだ。
「したくないよ」
「だからタイツはだね」
「簡便して欲しかったし」
「実際にしなくてだね」
「よかったよ、しかしファッション一つで色々あるね」
「そうだね、それはね」
 まさにとだ、ネロはマルティの考えて話す顔に対して彼自身もそうした顔になってそのうえで応えた。
「これも人類の歴史だからね」
「大きなお話になったわね」
 七海はネロのその言葉に応えた。
「ここでまた」
「けれど実際にね」
「歴史でもあるのね」
「文明の進歩や発展ともね」
「関係あるの」
「ズボンは馬に乗る様になって」
 そうしてというのだ。
「出て来たものだしね」
「ああ、スカートだとね」
「馬に乗りにくいね」
「そうよね、実際」
「それから出来たしね」
「服は人類の歴史でもあるのね」
「そうだよ、ちなみに僕軍服も好きだけれどね」
「軍服ね」
「これも時代によって変わってるしね」
「それも歴史なのね」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「だからね」
「だから?」
「調べていると面白いし」
 それにというのだ。
「色々わかるんだ」
「その歴史が」
「そう、本当にね」
「そうなのね」
「連合軍の軍服もね」
「あのセーラー服?」
「兵隊さんが着るね」
 兵士はセーラー服で下士官及び士官がブレザーである、連合では中央政府軍がそうであり各国軍も共和制の国はブレザーで君主制の国は詰襟となっている。ただ各国軍の軍服の違いは法的に決まっているものではなく各国が決めて自然とそうなったのだ。
「あの服もね」
「歴史があるの」
「そうなんだ」
「それは知らなかったわ」
「あの襟も」
 セーラー服のそれもというのだ。
「そうなんだ」
「ただお洒落じゃないのね」
「それは違って」 
 それでというのだ。
「今は本題じゃないから話さないけれど」
「襟立ててよく聞こえる様にして」
 マルティがネロに代わって話した。
「それで襟を交換してフケを取る」
「知ってたんだ」
「うん、セーラー服のことはね」
「そうなんだよね」
「そうした理由があったんだよね」
「そうだよね」 
 セーラー服にはというのだ。
「これは」
「そうだよね」
「成程ね」
 七海もその話を聞いて頷いた。
「服の歴史もそれぞれね」
「そのことも知ると面白いね」
「本当にね」
 そうした話もしつつ文化祭の用意をしていく、そしてその中でネロはふとレミからあるものを貰った。それは何かというと。


タイツはない   完


                 2020・5・2 
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