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星河の覇皇

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第七十五部第一章 最後の戦いのはじまりその四十六

「そうした人です」
「九十になっても」
「仕事は花火会社に勤めていました」
「花火ですか」
「腕の立つ技師でした」
 この時代では職人ではなく技師とされている。
「まことに」
「そうだったのですか」
「それで仕事も多かったのですが」
「そこで得たお金をですか」
「惜しみなく使っていました」
 その遊びにというのだ。
「そしてお金がなくとも」
「お金がない遊びをして」
「そうしていました、何といいますか」
「困ったところがあっても」
 今度は八条がこう言ってきた。
「人に迷惑はかけない」
「そうした方ですか」
「そのせいか遊んでいても」
 それでもというのだ。
「義姉も甥、姪達も」
「ご家族もですか」
「大事にしていてです」
「家庭は円満でしたか」
「そうでした」
 幾ら遊んでいてもというのだ。
「その兄の様にです」
「お酒もですね」
「溺れることのない様」
「わかりました、では」
「一升です」
「それが限度ですね」
「そのうえで明日も」
 福山は健康を維持してとそう言葉に含めてそのうえで八条に話した。
「宜しくお願いします」
「そうさせて頂きます」
「まことにです」
「健康はですね」
「第一ですので」
「溺れることなく」
「お願いします」
 こう言ってそしてだった。
 八条は実際にその酒をかなり飲んだ、一升飲んでそこで止めて最後に茶と和菓子を口にしてだった。
 暫く休んで風呂に入ったがその後でだ、携帯をチェックしているとそこにメールが入っていてだ。
 ここでだ、彼はそのメールの相手に連絡を入れた。電話をしてくれと言っていたのでそうしたが。
 相手のキロモトがだ、こう彼に言ってきた。
「夜分済まないが」
「何かありましたか」
「おかしなニュースが入った」
「おかしな」
「国防省の汚職だ」
 ニュースはこのことだというのだ。
「制服組が企業とだ」
「癒着してですか」
「賄賂を受け取ったとな」
「そうしたニュースがですか」
「ネットで出たそうだ」 
 こう話すのだった。
「ふとな」
「そうしたお話は」
「君は知らないか」
「はい、何も」
「そうか、君の耳に入らないのならな」
 国防省の長官でありその耳もそれこそ千里先の針が落ちる音すら聞けるという程の人物がだ。
「おそらく事実無根だな」
「そうしたことも気をつけています」
 所謂風紀のことをだ。
「私も」
「そうだな」
「そうしたことが起きますと」
 問題になるのではなくだ。 
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