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星河の覇皇

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第七十五部第一章 最後の戦いのはじまりその三十七

「確かに皇帝は王と違い条件がありますが」
「一つの文明の代表者であり」
「複数の民族、宗教の上にある」
「そうした存在ですね」
「そうされていますね」
「はい、そうです」 
 エウロパではそれはローマ皇帝となる、そしてEUはローマ帝国の後継国家とされそのEUが発展して形成されたエウロパもローマ帝国でありその国家元首である総統はローマ皇帝に相当するとされエウロパの格国家も王止まりになっているのだ。
「そうした条件がありますが」
「しかしですね」
「それでもです」
「連合では名乗ってもいいですね」
「法律で明記されてはいません」
 中央政府の法律でだ。
「不文律になっていますが」
「連合で皇室は二家だけと」
「日本の皇室とエチオピア皇室」
「この二家だけと」
 ローマ法皇、皇帝に比肩するこの存在も加わったが家ではない、法皇は世襲ではないからである。
「どうしてもです」
「他の国は遠慮していますね」
「新興国家建国の際に」
「どうしても」
 君主制を選んでもだ。
「王や大公であり」
「それ以上はです」
「なろうとしませんね」
「どの国も」
「皇帝はそれだけ尊いということでしょうか」
 八条は些か疑問形で述べた。
「やはり」
「そうなりますか」
「どうしても」
「皇帝については」
「至高の座ですか」
「ミクロネーションでもです」
 個人や一家がいささかジョークで国家を自称するケースもある、連合でもエウロパでも存在している。
「皇帝となりますと」
「王は存在していますが」
「どうもです」
「見受けられませんね」
「やはり遠慮ですか」
 日本、エチオピアに対してだ。
「そのせいですか」
「やはりそうでしょうか」
「皇帝の座はそれだけ特別であり」
「ミクロネーションでも名乗れない」
「ジョークであろうとも」
 尚連合では中央政府がそのジョークに応えてミクロネーションを認めたりもしている、各国もそうだがあくまでジョークだ。
「それでもですね」
「どうしてもですね」
「皇帝だけは」
「名乗るのを憚れますか」
「そうなのでしょうか、しかし」
 それでもとだ、八条は述べた。
「サハラはです」
「皇帝になりますね」
「統一されれば」
「アッディーン大統領かシャイターン主席が」
「どちらかの方が」
「そうなります、まさに英傑です」
 その皇帝となる者はというのだ。
「サハラの戦乱を終わらせた」
「そうしたですね」
「サハラの歴史に永遠に残る英雄ですね」
「イスラムの教えに添えばムハンマドに次ぐ存在ですか」
「人間として至高ですね」
「そうですね、カリフでもあるのですから」
 スルタン=カリフだ、イスラムの皇帝である。領主であると共にアッラーの代理人でもあるというのだ。 
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