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星河の覇皇

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第七十五部第一章 最後の戦いのはじまりその三十四

「国家や宗教への犠牲を殉教とし」
「美徳としますね」
「聖戦と言って」
「そうしてですね」
「かえって犠牲を尊ぶ」
「そうなりますね」
「そして指導者側もです」
 その彼等もというのだ。
「犠牲を厭わない」
「そうした戦争指導をしますね」
「ナチスでもソ連でもそうでしたし」
「十字軍も」
「はい、しかしです」
 そうした国家もあるがというのだ。
「民主主義国家はです」
「市民への犠牲を避ける」
「それが政権批判や支持率の低下につながるので」
「だからですね」
「どうしてもですね」
「義勇軍でも」
「私は犠牲自体をです」
 批判や支持率を気にせずとだ、八条は述べた。
「出したくありません」
「軍を預かる立場として」
「そして人間としてですね」
「出来るだけ無駄な犠牲は出したくない」
「必要な犠牲であっても」
「そうです」
 まさにというのだ。
「ですから」
「義勇軍もですね」
「兵器の生存能力を向上させる」
「正規軍の兵器よりも」
「常に火事場に入るだけに」
「それだけに」
「元々考えていました」
 義勇軍が設立された時からというのだ。
「難民から構成される前から」
「既にですね」
「考えておられていたのですね」
「このことは」
「既に」
「そうでした、難民は市民ではないですが」
 連合の市民ではないというのだ。
「しかしです」
「それでもですね」
「連合市民ではないとはいえ」
「義性は出来るだけ少なく」
「そう考えておられましたか」
「エウロパ戦役では全体の損害の約九割でした」 
 そこまでの損害だったというのだ。
「正規軍は百万、そして義勇軍は九百万」
「六十億以上の兵力が参加して」
「損害はおおよそそれ位でしたね」
「正規軍千八百個艦隊で義勇軍は百個艦隊」
「その割合で」
「艦隊にして正規軍一個、義勇軍九個でした」
 八条はその損害を将兵の数だけでなく艦隊単位でも話した。
「相当な割合ですね」
「義勇軍は義勇軍全体でも九パーセント」
「それだけの損害を出していますね」
「彼等が如何に酷使されていた」
「そうした意味もありますね」
「そう考えますとの」
 その損害の多さからだ。
「やはりです」
「何とかですね」
「義勇軍の損害を減らしたい」
「そう思われていたのですね」
「当初より」
「そうでした」
 実際にというのだ。
「ですから」
「ここで、ですね」
「義勇軍の兵器は彼等用に改造して」
「そして、ですね」
「そのうえで」
「戦闘に参加してもらいます」
 その時が来ればというのだ。 
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