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麗しのヴァンパイア

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第二百五十二話

              第二百五十二話  梨花の決意
 梨花は家に帰ると母に言った。
「お母さん、私これからも牛乳沢山飲んでいくわ」
「それはいいことね」
 母は娘の言葉に笑顔で応えた。
「じゃあこれからも飲んでいってね」
「そうするわね、ただね」
「ただっていうと」
「お料理とか錬金術に使うこともあると思うけれど」
 梨花は母に塾で皆と話したことをさらに話した。
「それもね」
「しないのね」
「ええ、それはね」
 こう母に話した。
「しないわ」
「そうなのね」
「入ったら匂いするでしょうし」
 まずはこのことを話した。
「それもかなり」
「牛乳だからね」
「それに物凄い量になるから」
 風呂に入るだけのものになるならというのだ。
「お金もかかるしね」
「だからしないのね」
「というかよくそんなこと出来たわね、クレオパトラって」
 梨花は腕を組んでこうも言った。
「牛乳風呂だなんて」
「だって女王様よ」
 母は娘にすぐに応えた。
「お金持ちだったのよ」
「だから出来たの」
「その頃のエジプトはお金があったから」
 それでというのだ。
「もうそれ位はって感じでね」
「出来たのね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「クレオパトラにしては何でもないことだったのよ」
「お金持ちの国の女王様だから」
「そうなのよ」
「ううん、そうなのね」
「そう、だからね」
「出来たことで」
「今の時代でも普通の家庭じゃ高いわよ、それに実際に入っても」
「匂うのね」
「だからお母さんも勧めないわよ」
「そうよね、じゃあ入らないわ」
「そうした方がいいわね」 
「せめてお風呂の素にするわ」
 梨花は笑って言った、そうしてこの日梨花はそのお風呂の素を入れた。それは牛乳のものではなくゆず湯のものだった。


第二百五十二話   完


                   2020・4・2 
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