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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二百四十八話

『悪いな、これと言って連れていけるような場所が無くて』

「姉様と兄様の家に来れただけで私は満足だぞ」

ラウラとクラリスは一応任務で日本に来ている。

姉さんの護衛という名目だ。

まぁそんなのただの言い訳でしかないのは姉さんと別行動していた点でお分かりだろう。

二人は明日にはドイツに帰る。

朝食の後、大狐になった箒に背を預けたラウラとクロエに撫で回されている。

メインクーン程もある猫状態の俺を軽々抱えられる辺り、ラウラも気功に慣れてきているのだろう。

背中を撫でられながら、不可視化したホロウィンドウでクロエの専用機の設計をしている。

基本的には箒の物と同じようにボディを持たない機体だ。

クロエに任せるとは言った物の、俺としてはドイツの方が安全だと思っている。

ファントムタスク遺伝子セクションはあくまでも人間の組織だ。

更敷とやりあったという"奴"が出てこない限りどうとでもなる。

目下、最も警戒すべきは死屍累生死郎、忍野扇、蛇神撫子だ。

単純な力の権化である"奴"と違い、呪いなどの呪術的な手段を取ってくるうえその力は未知数。

俺が防げるという確証は無い。

暦さんと怪異関連の関わりがある以上忍野扇がどう出るか読めなくなっている。

ターゲットが俺だけならいいが、周りに火の粉が飛んだ時に守れる数には限りがある。

正直言ってシルヴヴァインと連槍にはロリsを連れて暫くこの街から離れていて欲しいくらいだ。

何かあればフォールドか量子テレポートすればいい。

重力化での空間転移は施設は大掛かりになるが場所はいくらでもある。

暫くすると、来客があった。

「えっと………私が対応しましょうか?」

ソファーで中型犬サイズのメイプルをもふもふしながたニュースを見ていたクラリスが立ち上がる。

姉さんは自室で荷物を整理しているし、束さんは円香と地下に居る。

来客に対応できるのはクラリスだけだがその必要は無い。

『え? 別にいいよ』

来客は勝手にドアを開けて家に入ってきた。

言うまでもなく、アルシャーヴィン姉妹だ。

廊下を通り、ドアを開けてリビングに入ってきた。

13星座をあしらった漆黒のワンピースがひらめく。

「あれ? 円香が居ない」

「ですね………。所でお兄さん、また女性を引っ掛けてきたんですか?」

本当にどこでそういう言葉を覚えて来るんだろうか。

特にリム。

多分スコール辺りだろうなぁ……。

連槍は円香の護衛役だから必然的にアルシャーヴィン姉妹とも絡む。

その中で覚えたんだろう。

『辛辣だなリム。この二人は俺の妹だ』

「妹……成る程……理解しました」

「お姉ちゃんの事だから私達みたいに妹分だからって誤魔化してるんでしょ?」

『ねぇお前ら今日俺に当たり強くない?どうした?』

答えたのはくぁーと大きな欠伸をした箒だった。

『二日もほったらかしにしていたんだから当たり前だろう。
お前はリムとエレンを少しは女性として扱ってやれ』

『それはそれで問題があるだろうが』

アルシャーヴィン姉妹は俺達…と言うかラウラとクロエの前に立つと、ワンピースの裾をつまみ、片足を下げて交差させた。

そのままお辞儀をする。

カーテシーという挨拶だ。

主に西洋圏で女性がするもので、アルシャーヴィン姉妹がやったのは特に丁寧な方法。

まぁ、可愛いからいいけど。

「始めまして。私はリムアリーシャ・アルシャーヴィンと申します。
貴女方の義妹にあたる者です」

『おいこら。誤解を招く言い回しを………』

「どうせ竿姉妹になるのでしょう?」

『誰に教わった!? 言え!』

上品に笑いながら下品な事を言うリムに問うと視線を後ろに向けた。

どうやらこのもふもふクッションが教え込んだらしい。

「私はエレオノーラ・アルシャーヴィン! お姉ちゃんの恋人だよ!」

エレンはリムに合わせてやっただけのようで、フランクにラウラ達に話しかける。

「…………………兄様?」

「一夏君?」

黒兎達の視線が痛い。

取り敢えず箒の尻尾の中に逃げ込む。

九尾というわけではないのだが、三本も大きな尻尾があるので俺の体を隠すには十分だった。

『いいではないか。一夏は人ではないのだ。人間の倫理観など意味は無い。
既に一夏は6人を抱いているし、他にも数人を囲っている。
これ以上増えた所で変わりはせんさ』

それ庇ってるようでディスってるよね?

お前その内の一人はお前も抱いてるから共有財産みたいな物だろうが。

くゅぁーと箒の欠伸をする声の後、箒の尻尾が動いた。

俺を覆っていた内の一本で、それがラウラとクロエの背中に当てられる。

どうやら獣化を解いたらしい。

ヒョイと箒の腕に抱かれた。

箒がアルシャーヴィン姉妹に話しかける。

「さて……私は一緒に暮らしているからこれといって今一夏を独占する気はない」

あ、なんか企んでるな。

「しかしラウラとクロエは別だ。ラウラは明日にはドイツに帰るしクロエはそれについていくかもしれない」

箒がチラリとクラリスを見る。

「だからラウラ達に譲れ……と言ってもお前達からすれば知った事ではないだろう?」

アルシャーヴィン姉妹がコクコクと頷く。

「という事で………」


「今日は皆さんに殺し合いをして貰います」

言いたいだけかお前。

side out





























織斑家地下、ジオフロント。

木製の刃物とエアガンを持って四人が向かい合う。

アルシャーヴィン姉妹と黒兎だ。

その間<僅か>10メートル。

「はぁ……」

一夏がため息をつく。

パイプ椅子に座って自分を愛でている箒の意図がわかりきっているからだ。

「まぁ、たしかに? どれくらい戦えるか、身を守れるかは知っておきたい所ではあるけどもさ」

「だろう?」

「お前は俺を愛でたいだけだろうが」

隣のパイプ椅子に座るクロエが一夏の尻尾をいじる。

エレンは木刀とレッグホルスターに備えた二丁のエアガン。

リムはダブルナイフと腰の後ろのホルスターのエアガン二丁。

クラリスはエアガン二丁とベルトにナイフ。

ラウラは左手にナイフ、右手にエアガンを持ちレッグホルスターにそれぞれ予備を持っている。

「ラウラー。クラリスー。眼帯外しとけよー」

二人が一夏の方を向く。

「ヴォーダン・ヴォージェ無しじゃ十秒と持たんぞ。気功の錬度的にな」

一夏が言うと不満そうにラウラが眼帯を外す。

「兄様。それはさすがに私達をバカにしすぎだ。
これでも職業軍人だぞ?」

続いてクラリッサが無言で眼帯を外す。

「お前達こそエレンとリムを舐め過ぎだ。
エレン! リム! 魔法無しなら何してもいいぞ!」

「わかりました」

「わかった!」

アルシャーヴィン姉妹が得物を構える。

それぞれの得物は気功を纏い、並の人間なら一撃で殺しうる程の硬度を得る。

「バトルスタート!」

一夏が開始の合図を発すると同時。

アルシャーヴィン姉妹が踏み込んだ。

気功強化した脚力で駆け出し一瞬で距離を詰める。

ラウラとクラリッサは強化された視覚でそれを捉えた。

しかし知覚出来たとて気功の錬度に圧倒的な差があり、体を動かす事が出来ない。

ラウラとクラリッサは千冬から教わってはいても実際にそれを使って戦う事はあまり無かった。

一方アルシャーヴィン姉妹は円香も交え、暇潰しのように日々バトルを繰り返していた。

その差は歴然であった。

ラウラは辛うじてエレンの横凪ぎに対しナイフでガードする事が出来た。

しかしクラリッサはリムのタックルを受けて後方に吹き飛んだ。

体格差と気功のお陰でダメージは多少軽減された物の、大きく隙が出来てしまった。

クラリッサの首に先と同じく縮地で近付いたリムのナイフが迫る。

クラリッサは咄嗟に持っていた銃二丁を投擲した。

クラリッサはリムがそれを弾く隙をついてダブルナイフを抜く。

カァン! と膝立のクラリッサとリムのナイフがぶつかり合った。

「っ! 一夏君この子達強すぎやしませんか!?」

「お兄さんに話しかける余裕がおありで?」

リムは自ら体勢を崩すと同時に地を蹴り、大きく跳躍してクラリッサから距離を取った。

鍔迫り合いから体勢を崩すもクラリッサが何とか立ち上がる。

リムがナイフをくわえ、片手で抜いたエアガンを発砲。

しかしそれはクラリッサに避けられてしまう。

それを見て一夏が呟く。

「なんだ…意外とやるじゃんか…」

一夏がラウラとエレンの方へと目を向ける。

刀の猛攻をナイフでいなし続けていた。

「ほー、全開のヴォーダンヴォージェと式神憑依でトントンか」

その最中、ラウラがエレンの木刀を素手で掴んだ。

血の代わりに火花が散る。

動きを封じられたエレンにラウラの蹴りが迫る。

エレンは木刀から手を離すと、気功でガードを固めながら、蹴られた勢いで離脱した。










結果として、この勝負に勝者は居なかった。

敢えて言うのなら、今俺を膝に乗せてもふもふしているクロエだろうか。

四人はぐったりした様子でジオフロントの床に寝転がっている。

「ま、新参のクロエに譲ってやるくらいいいだろう。な、お前達」

「初めから言ってください…」

「そうだぞ…箒よ…」

リムとラウラが恨みのこもった目で睨む。

クラリッサが体を起こし、改めて周囲を見渡す。

「一夏くん。私達をここに入れて良かったんですか?」

「今さらな質問だな。束さんがいる時点でわかっていた事だろう?」

「じゃぁUNオーウェンって…」

「おっと。そこまでだ」

一夏が口に指を当てる。

「お前達はこの事を上に報告したりはしないだろ?
したら姉さんに迷惑がかかるからな」

千冬に心酔している二人ならば話さないであろうと一夏は思っている。

それにこの後イナバを起点に精神干渉魔法を使うつもりであり、秘密がバレる事はないと確信していた。

「……お姉ちゃん…おふろ…」

エレンが顔だけを一夏に向けた。

「勝手に入っていいぞ」

「お兄さん。一緒に入りましょうよ」

「何? なら私も一緒に入りたいぞ兄様」

「隊長!?」

んー……と一夏が考える。

織斑家にはそんなデカい風呂は無い。

入れてロリが3人だ。

「あー………うん。3分待って」

一夏がもう何を隠すのかと言わんばかりにホロウィンドウを展開した。

表示されるのは直上のラボの一室のステータス。

ナノマテリアルで出来た部屋が形を変えていく。

更には地下水脈から魔法で水を汲み上げつつ加熱。

「よし、行くか」 
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