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おぢばにおかえり

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第五十八話 入学前のその四十

「言う人いますね」
「そういうことはないのよね」
「素直に勉強する子です」
 このことは事実です。
「教義がどうとか教会がどうとかは」
「言わないのね」
「本当に変な人は言いますけれど」
 そうした人に会ったこともあります。
「教会の仕組みがどうとか」
「どうでもいいことよね」
「そう思うんですが」
 私としてはです。
「それが、ですからね」
「そういうことばかり言ってね」
「ご自身は何もしない」
「勉強もしなくてね」
「ひのきしんも。そんな人で」
「今は誰ともお付き合いなくなって」
「それで今は、ですね」
「どうしているのか」
 それこそです。
「わからないんですよね」
「そういう子じゃないことはね」
「大きいですか」
「しかも紹介講習行きたいって言ってるのよね」
「はい」
 本当に言っています。
「いつも」
「それは有望ね」
「将来有望ですか」
「楽しみよ」
「確かに。普通のお家の子ですが」
 ご両親はサラリーマンそして公務員だと言っていたことは今も覚えています、お家は宇陀の方だということもです。
「教会長さんになりたいとか」
「言ってるのよね」
「はい、そうです」
「そうした子なら」
 是非にと言うのでした。 
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