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ドリトル先生の競馬

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第六幕その十一

「けれどね」
「それでもだよね」
「他の宗教では違うんだよね」
「同性愛を認めている宗教も存在している」
「そして最近ではキリスト教徒の中でもね」
「同性愛は認められてきているからね」
「そういうことを見ていると」
 先生としてはです。
「同性愛を認めないことはね」
「よくないっていうよね」
「先生は」
「そうだよね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「僕はこう考えていてね」
「主張しているね」
「同性愛はあっていい」
「自分と違うからって認めないことはいけない」
「そういう風に」
「そうなんだ、しかしその彼等を見ても」
 水着姿の男の子や男の人達を見てもというのです。
「それでもだよ」
「何も思わないんだね」
「そうなのね」
「先生は」
「うん、どうもね」
 実際にというのです。
「これといってね」
「まあそこもそれぞれ?」
「水着姿の人達見てこれといっても思わないことも」
「そのことも」
「そうかもね」
「そうだろうね、まあ僕は恋愛に縁がないとわかっているから」
 ご自身ではです。
「諦めているのかな」
「そうした欲求についても」
「最初から持っていない」
「そう言うのね」
「そうかも知れないね」
 こう皆にお話するのでした。
「だから興味がないのかもね」
「じゃあそこでね」
「発想変えたら?」
「そうしたら?」
「そうしたらどう?」
「それで」
「いやいや、本当に恋愛はね」
 こればかりはと言うのでした。
「縁がないんだよ」
「やれやれね」
「そう言ってばかりね」
「こと恋愛のことについては」
「先生は」
 皆は先生の返事に呆れます、ですが。
 そう言われてもです、先生はこう言うばかりでした。
「いつも皆の気持ちには感謝しているよ」
「感謝はいいの」
「それはね」
「僕達はそれはいいから」
「先生が一歩踏み出してくれたら」
「周りを見てくれたらよ」
「それで充分なのよ」
「周りと言われても」
 先生は安楽椅子に寝転がったまま目だけで周りを見回しました、海や空、砂浜は目に入ってもやっぱり水着姿の人達は目に入りません。
「これといって」
「やっぱりそう言うし」
「もっと前に出たら?」
「そうした意味で周り見るんじゃないの」
「そこはわかって欲しいな」
「だから僕達も言うしね」
「そう言ってもだよ」
 先生は皆に言いました。
「僕はもてないんだよ」
「本当にそうかはね」
「先生の主観だよ」
「物事は主観だけか」
「違うよね」
「先生もいつもそう言ってるし」
「それはね、主観と客観」
 先生は皆に答えました。
「その二つがあるよ」
「そうだよね」
「世の中にはね」
「主観だけじゃないよね」
「客観、周りから見てもよね」
「それじゃあ周りはどう見ているか」
「そこをちゃんとわかったらね」
 それこそと言う皆でした。
「先生の運命は動くよ」
「それも大きくね」
「しかもよく変わるから」
「だからだよ」
「ここは客観も見てね」
「先生の主観だけでなくね」
「そうしてね」
「そうしたらわかるから」 
 先生に熱心に言います、ですが先生はその皆にこう言うばかりでした。
「そうならいいけれど」
「だから何でこのことだけ聞いてくれないのかな」
「人のお話を聞く人なのに」
「どうしてか」
「このことが謎だよ」
「全く以てね」
 皆そんな先生にやれやれです、けれどその先生とビーチでも一緒にいてです。
 楽しい時間を過ごして後片付けをしてからお家に帰りました、そうしてお家の中でも先生と一緒にいるのでした。 
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