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ドリトル先生の競馬

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第六幕その十

「けれどなんだ」
「それでもなんだね」
「興味を持たない」
「そうなんだ」
「先生は」
「どうも僕は女性にも男性にも」
 同性愛に対してもというのです。
「然程興味がないんだね」
「それ自分は恋愛と無縁だと思っているからだよ」
「強くそう思い過ぎているから」
「だからだよ」
「女性に興味を持てないんだよ」
「同性愛についても」
「僕は同性愛は否定しないけれど」
 それでもというのです。
「そちらの好みではないね」
「そうだよね」
「先生同性愛者でもないね」
「そっちの趣味もないね」
「別に」
「うん、昔からね」
 それこそというのです。
「これはないね」
「否定はしないし攻撃もしない」
「それも恋愛だって認めてるね」
「そのこと自体はそうよね」
「人の好みはそれぞれだからね」
 そう考えているからだというのです。
「ましてやこの日本だと普通だしね」
「そうそう、信長さんだってね」
「信玄さんや謙信さん、政宗さんもそうだったし」
「ずっと普通にあったし」
「忠臣蔵もそんな感じするし」
「歌舞伎や文学でも普通に出るし好色一代男なんか」
 井原西鶴さんの代表作であるこの作品もというのです。
「女の人だけじゃないからね」
「美少年もだっていうね」
「そっちも物凄い楽しんでるのよね」
「あの作品だと」
「そうだよね」
「そうした国だから」
 それでというのです。
「もう尚更だよ」
「同性愛は否定しない」
「自分の趣味でなくても」
「そうしているんだね」
「うん、僕はクリスチャンだよ」
 それも敬虔なです。
「キリスト教では同性愛は禁じられているけれど」
「ずっと罪になったしね」
「同性愛者というだけで」
「長い間犯罪扱いされて」
「裁判にかけられてね」
「牢獄に入れられたり」
「死刑にもなったね」
 動物の皆もお話します。
「今思うとわからないけれど」
「当時はそれが常識だったんだよね」
「キリスト教徒の世界だと」
「イギリスでも」
「実は古代ギリシアでは普通だったけれどね」 
 こちらではというのです。
「実はね」
「ああ、ギリシア神話だね」
「あの頃のギリシアでは普通だったね」
「同性愛も普通で」
「神様も英雄達もだったんだ」
「結構普通にあったからね」
 先生は自分が学んできたことをお話します。
「誰も罪に問わなかったんだ」
「そうだったんだよね」
「キリスト教の教義とは違って」
「同性愛は普通だったんだね」
「そうだよ、キリスト教の教えはキリスト教だけのことだよ」
 あくまでそうだというのです。 
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