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部屋着

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第三章

「それに今の季節は寒いから」
「そうした格好自体が駄目ね」
「そう、だからね」
 その為にというのだ。
「まずはね」
「そうした格好はお家の中だけで、時間もね」
「主人がいる時だけね」
 まさにその時だけにというのだ。
「そうした格好は」
「こう言うと下着姿でいいって思うでしょ」
「それは違うのね」
「下着だと露骨過ぎるでしょ」
「そうね、茂樹は強いけれど」
「誘ってるのがあからさまだから」
 それが露骨過ぎるというのだ。
「だからね」
「下着でなくて」
「そう、露出の高い服でね」
「抑えるべきなのね」
「キャミソールとかね」
 夏に着るこちらの服もだ、琴乃は話に出した。
「そういうのを着て」
「そしてなのね」
「そのうえでね」 
「誘うといいのね」
「特に」
 琴乃はここで目を光らせた、そのうえで美樹に話した。
「ご主人の目に注目して」
「あの人の?」
「ご主人テレビとか雑誌とか女の人のどういった格好に注目するか」
「そのことをなの」
「見たら?誰だって性癖があって」
 そうしてというのだ。
「ぐっとくる服がね」
「あるのね」
「美樹がその恰好になったら」
 その時はというのだ。
「ご主人もぐっとくるわよ」
「私がそうした格好になったら」
「そう、その時はね」 
 まさにというのだ。
「美樹を押し倒してでもね」
「押し倒すとか」
 今の夫がとだ、美樹は琴乃に到底という顔で答えた。
「結婚する前とか交際したてならともかく」
「今はよね」
「とてもね」
 もうそれこそというのだ。
「ないわ」
「そうよね、けれどね」
「それがなのね」
「美樹の露出が高くなって」
「性癖を刺激する様な格好にもなったら」
「絶対にね」
 それこそというのだ。
「くるわよ」
「そうなのね」
「だからご主人をよく見て」
 そしてというのだ。
「これまでのことも振り返ってね」
「そうしてなのね」
「そしてね」
「主人の性癖を見極める」
「あるでしょ、例えばOLさんが好きとか学校の先生が好きとか」
「お仕事もあるのね」
「服装だとミニスカートが好きとか」
 こうしたものもだ、琴乃は話した。
「正確もドサドとかドマゾとか」
「そういうのがあるのね」
「そうよ、ちなみに私はここだけの話で」
 こっそりとだ、琴乃は自分の話をした。
「女王様が好きだから」
「SM?」
「主人は奴隷でね」
「えっ、琴乃ってそっちだったの」
「夜はそうしてるの」
「そうだったの」
「ボンテージや鞭や蝋燭や三角木馬も揃えてるから」
 そうしたSMの衣装や用具もというのだ。 
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