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不良でも

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第二章

「よくねえしな」
「言ったら悪いけれどその外見でね」
「如何にも不良なのに」
「それでもなのね」
「不良は余計だろ、っていうかやることやって」
 そしてとだ、涼花はクラスメイト達にさらに話した、話している場所は更衣室だ。次は体育授業なのでそこで体操服に着替えつつ話しているのだ。
 学校指定の体操服の一つである。白い体操着と黒の膝までの半ズボンを穿きつつだ、涼花はさrない言った。
「間違ったことはしねえってな」
「常識とか?」
「そう言うの?」
「だろ?あたし昔っからそうしたことはな」
 友人達にこうも言うのだった。
「絶対にって思ってるんだよ」
「そうなの」
「また言うけれど如何にも不良なのに」
「それでもなの」
「実際口悪いしね、涼花ちゃんって」
「それにすぐに怒るけれど」
 喧嘩っ早さも指摘された。
「それでもなのね」
「やることはしっかりしてるのね」
「授業はちゃんと受けるし」
「赤点も取らないし」
「部活も課外も出るし」
「あたし確かに不良だよ」
 涼花は自分のことを認めもした、見れば体操服の名前も書いている。
「見ての通りな」
「そうよね」
「それは間違いないわよね」
「やっぱりね」
「けれどな」
 それでもと言うのだった。
「幼稚園の頃からこうでもな」
「やることはなのね」
「しっかりとやってるのね」
「そうなんだよ、どうしてもって思ってな」
 自分の中でそうなっていてというのだ。
「やってるんだよ」
「そうなのね」
「外見はそうでも」
「だから外見は言うなよ」
 そこはとだ、涼花はクラスメイト達に言い返した。
「仕方ねえだろ、そうした家で育ったんだぞ」
「涼花ちゃんのお家って農家よね」
「兵庫の方の」
「丹波の」
「ああ、そっちで色々作って売ってるけれどな」 
 そうした家だがというのだ。
「家の近くが神社とか寺でな」
「それでテキ屋さんもよく出入りしていて」
「昔はそうしたところで賭場もやってて」
「昔からヤクザ屋さんがよく来ていて」
「その神社とかお寺の、だったのね」
「うちは氏子で信徒でな」 
 そうした縁があってというのだ。
「代々出入りしてな」
「柄が悪いのね」
「ヤクザ屋さんとお付き合いもあって」
「それでなの」
「その神社とお寺今もそうでな」 
 ヤクザ者達がよく出入りしてというのだ。
「それでだよ」
「涼花ちゃんもなのね」
「そうした外見で」
「それで口も悪くて」
「喧嘩っ早いのね」
「そうなんだよ、けれど別にヤクザ屋さんでもな」
 そうした連中ではあってもというのだ。 
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