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ドリトル先生の競馬

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第二幕その三

「馬は違うからね」
「厩舎と餌が必要で」
 それでと言ったのはポリネシアでした。
「日本だとそうした場所がある学校となると」
「高校、都会だともう殆どないね」
「街だと仕方ないね」
 オシツオサレツは二つの頭でお話しました。
「グラウンドの確保自体にも苦労してるから」
「それが馬ともなると」
「このことは欧州でも同じだしね」
 ジップは自分達の故郷のことをここで思い出しました。
「イギリスにしても」
「農村とかならともかく」
 そうした場所の学校ならとです、ダブダブは言いました。
「そこは仕方ないかな」
「今の日本は都会に人が沢山いて」
 最後に老馬が言葉を出しました。
「それで学校もそこに集中しているからね」
「この八条学園はかなり広い敷地でね」
 先生はその皆にお話しました。
「それで大学に農学部もあるね」
「そこで沢山の家畜もいてね」
「馬もいるから」
「それで高等部も乗馬が出来るのね」
「乗馬が出来る場所もあるし」
「ここは特別だよ」
 八条学園はというのです。
「高等部も」
「そうよね」
「この学園ならではね」
「普通の学校だとね」
「乗馬なんて出来ないね」
「日本では特に」
「日本は島国で山も多くて」
 また日本の地形のお話になりました。
「今は特に都市部に人口が集中しているから」
「こと乗馬になると」
「場所もないし」
「お馬さん達を飼うのも大変で」
「それでだね」
「乗馬部がある高校は極めて稀」
「そうなってるわね」
「そうだよ、この学園以外には」
 それこそというのです。
「そうそうないよ」
「農業高校でもだね」
 王子が言ってきました。
「少ないね」
「とにかく場所が必要だからね」
「そうだよね」
「それに施設もね」
 馬を飼うそこがというのです。
「飼育も大変だし」
「馬は生きているしね」
「乗馬は大変だよ」
「特に学校の部活となると」
「本当にね、ただこの学園の高等部は」
 またお話する先生でした。
「本当に特別だよ」
「そうだね」
「そう、そしてね」
 さらにお話する先生でした。
「僕は何かね」
「あっ、乗馬部に興味を持ったのかな」
「この前競馬をテレビで観て」
「そのことでもなんだ」
「この学園の高等部の乗馬部もね」
「どんなものかだね」
「少し観てみたくなったよ」
 こう王子に言うのでした。
「だから今日の夕方行ってみようかな」
「そうするんだ」
「高等部まで行ってね」
「それまでに論文を書くのかな」
「そうするよ」
 実際にという返事でした。 
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