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八条学園騒動記

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第五百六十一話 ホームルームにおいてその一

                ホームルームにおいて
 文化祭の時が近付いていた、それでだった。
 二年S一組でも文化祭でクラスとして何を行うかという話がホームルームで行われた、そこでだった。
 クラス委員のアルフレドが教壇から言った、その隣には同じくクラス委員であるビアンカがいる。双子の兄妹でクラス委員を務めているのだ。
「今回の文化祭のクラスの出しものだが」
「何にするかだよな」 
 フランツが自分の席から応えた。
「やっぱり」
「そうだ、それだ」
 まさにとだ、アルフレドはフランツに応えた。
「まさに」
「それな」
「何をするかだが」
「劇でいいだろ」
 フランツはすぐに言った。
「あと喫茶店か」
「両方か」
「どうせやるならな」
 それならとだ、フランツはさらに言った。
「思い切りやったらいいんじゃないか」
「そうか、両方は」
「うちの学園じゃよくやるしな」
「文化祭でな」
「一つのクラスが二つの催しを行うことはな」
 そのことはというのだ。
「よくあるからな」
「それもそうだな」
「だから両方どうだ」
 こう言うのだった。
「ここは」
「反対の意見はあるか?」
 アルフレドはフランツの提案を受けてから他のクラスの面々に尋ねた。
「それで」
「あったら手を挙げてね」
 ビアンカも言ってきた。
「反対の人は」
「では挙手してくれ」
 アルフレドが言うとだった。
 一人もいなかった、これでおおよそ決まった。
「よし、全員賛成だな」
「そうね」
 ビアンカはアルフレドの言葉に頷いた。
「それじゃあ」
「劇と喫茶店だな」
「両方ね、ただどっちもね」
「どういったものにするかね」
 ロザリーが言ってきた。
「劇も喫茶店も」
「喫茶店っていってもだ」
 ダンがロザリーに応えた。
「色々な種類があるな」
「そうそう、オーソドックスもあれば」
「中華風もあればな」
「アメリカンにドーナツでやるのもあるし」
「和風もある」
「色々ね、それにね」 
 ロザリーはさらに言った。
「出すものもね」
「色々だな」
「そう、だからね」
 それでとだ、ロザリーはダンに話した。
「お店も難しいわ」
「そうだな」
「具体的に何をするか」
「そんなの簡単だろ」
「そうよね」 
 ここでテンボとジャッキーが言ってきた。
「もうね」
「考えるまでもないな」
「どんな喫茶店にするのよ」
 ロザリーは二人に問うた、どうせこの二人だからまたおかしなことを言うに決まっていると思いながらそうした。
「一体」
「推理喫茶だよ」
「それしかないでしょ」
 二人はロザリーにドヤ顔で答えた。
「もうね」
「選択肢、正解は一つだ」
「推理っていうと」
 何かとだ、ロザリーは二人にさらに問うた。 
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