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おぢばにおかえり

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第五十八話 入学前のその十四

「それはね」
「何があってもね」
「それはいいけれど」
「それでもなのね」
「恋愛はね」
 それはというのです。
「経験しておくことよ」
「失恋してもなの」
「失恋してもめげない」
 お母さんは私に笑顔で言いました。
「その意気でね」
「失恋して落ち込む人多いけれど」
「それを言われてもね」
「気にしないことなの」
「そう、絶対にね」
「そう言われても」
 私が聞く限りではです。
「凄くね」
「落ち込む人いるわね」
「ええ、死にたいっていう位」
「それでもよ、失恋してもね」
「落ち込まないことが大事なの」
「そう、そこはちゃんとね」
「気を確かに持って」
「そうしてね」
「恋愛もするのね」
 そう言われてもでした、私はそうした経験がないのでどうしても首を傾げさせてしまいました。それでお母さんにも言いました。
「大学に入ったら」
「そこは大学関係ないけれどね」
「そうなの」
「何時でもよかったのよ」
「高校の時もなの」
「中学の時でもね」
 本当に何時でもだったみたいです。
「よかったのよ」
「そうだったのね」
「けれど千里は奥手だから」
 お母さんは今度は少し苦笑いになりました。
「ずっと経験なかったのよ」
「何か何時かって思っていたけれど」
 それがです。 
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