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オズのハンク

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第八幕その九

「覚えておいてね」
「そのこともそうさせてもらうわ」
「それじゃあね」
「いや、凄いことがわかったよ」
 ハンクはメジェド神のお身体のことがわかってしみじみとした口調で言いました、それでこうも言ったのでした。
「そんなお身体の神様もいるんだね」
「というかね」 
 カルロスがハンクに応えました。
「服が身体になってるって」
「ちょっとないよね」
「そうだよね」
「いやいや、僕達だってね」
 スフィンクスがハンクに言いました。
「毛皮がそのまま服じゃないか」
「ああ、そう言われるとね」
「それと同じだね」
「言われてみればね」
「着替える必要のない服だよ」
 毛皮はというのです。
「そうしたものだよ」
「そうだね、僕達はもう服を着てるね」
「人と違ってね」
「それは面白い考えだね」
 カエルマンもそのお話を聞いて興味深そうなお顔になっています、そしてそのお顔でこうも言うのでした。
「君達がもう服を着ているというのは」
「君はその上に着ているけれどね」
「人やそれに近い身体の仕組みだとね」
「お肌の上からだね」
「服を着ないとね」
 そうしないと、というのです。
「寒いし恥ずかしいしね」
「裸だからだね」
「だからだよ、それにね」
「それに?」
「ファッションでもあるからね」
 カエルマンはスフィンクスに笑ってこうも言いました。
「だからね」
「しっかりとなんだ」
「服を着ているんだ」
「そう言えば君は随分お洒落だね」
「お洒落は大好きだからね」
 それでというのです。
「いつも凝っているよ」
「黄色いタキシードなんだね」
「そうだよ、そうして」
 そのうえでというのです。
「ハンカチにもね」
「気を使っているんだね」
「シルクハットにもね」
 服と同じ色のそれを大事そうに持っています、確かにカエルマンは相当なお洒落です。見れば靴はピカピカです。
「そうしているしね」
「それはそれで楽しそうだね」
「実にね、しかし私も思ったよ」
「僕達はもう毛皮という服を着ている」
「だからメジェド神の服が身体と一緒でも」
 それでもというのです。
「面白い考えだとね」
「思うんだね」
「とてもね、そうした身体の構造でいられるのも」
「どうかっていうんだね」
「オズの国ならではだね」
 こう言うのでした。
「まさに」
「それを言うとそうだね」
 スフィンクスも納得して頷くことでした。
「本当にね」
「身体の構造は、だね」
「神様によってもそれぞれで」
「オズの国では人でも有り得るしね」
「そうそう、オズの国だと」
 ハンクはカエルマンとスフィンクスのやり取りの中でこうも言いました。 
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