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オズのハンク

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第七幕その六

「呪いとかは書いていないし」
「不吉なことはだね」
「難しいこともね」
 そうしたこともというのです。
「書いていないよ」
「そうなんだね」
「意味がわからないと何かと思っても」
「何を書いているかわかれば」
「そう、すぐに意味がわかってね」
 それでとです、カエルマンはハンクにまた答えました。
「それでね」
「そのうえでだね」
「安心出来るよ」
「文字はそういうものだね」
「うん、意味がわからないと」
 この場合はというのです。
「誰でも身構えるね」
「本当にね」
「けれどね」
「それがだね」
「意味がわかると」
「すぐにだね」
「何を書いているのかもわかって」
 カエルマンはさらに言いました。
「安心出来るよ」
「だから僕達もだね」
「そう、私が読めるから」
 古代エジプトの絵文字をです。
「安心出来たね」
「よくね」
「意味がわかれば」
 それでというのです。
「本当にね」
「安心出来るね」
「何でもね」
「まあね、文字はね」
 トロットもこう言います。
「意味がわかれば」
「怖くないね」
「ええ、読めればね」
「そう、読めるとね」
 本当にというのです。
「それでね」
「怖くなくなるわね」
「そういうものだよ、知らないわからないと」
「それだけで怖くなるわね」
「けれど知ってわかれば」
 それでというのです。
「怖くなくなるんだ」
「そういうことね」
「そう、だからね」
「知ることは大事なのね」
「とてもね」
 カエルマンはトロットに確かな声でお話しました。
「そうなんだよ」
「だからカエルマンさんは知っていって」
「案山子さんも教授さんもだよ」
 オズの国で知恵者、知識人と言われる人達はというのです。
「色々とね」
「物事を知って言ってるのね」
「学びもしてね」
「そういうことね」
「この文字もね」
 そして壁画もというのです。
「オズの国では悪い言葉は書かれなくても」
「何を書いている、描いているのかってね」
「思うね」
「けれど知っていたら」
「この通りだよ」
 まさにというのです。
「何でもないってわかったりもしてね」
「安心出来るってことね」
「うん、しかしね」
「しかし?」
「この壁画にはメジェド神はいないね」
 皆が今探している神様はというのです。 
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