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オズのハンク

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第七幕その四

「いい神様だったね」
「怖い神様って話があったけれど」
 神宝も言います。
「そんなことはなかったね」
「何かとお話してくれてね」
 ナターシャもセト神に親しみを感じています。
「親切だったわね」
「ええ、ツチブタのお顔も表情豊かで」
 恵梨香はセト神のお話をしました。
「親しみやすい神様だったね」
「オズの国ではそうなんだね」
 カルロスはこの国のことから思うのでした。
「怖い神様はいないんだね」
「そうよ、オズの国ではね」
 トロットが五人に答えました。
「怖い神様はいなくて」
「セト神もですね」
「いい神様なのよ」
「そうなんですね」
「そう、その神様のいい面が出て」
 トロットはカルロスにお話します。
「それでね」
「いい神様になるんですね」
「そうよ、だからセト神もね」
「外の世界では悪い神様とされていても」
「その一面があるかも知れないけれど」
 それでもというのです。
「オズの国では違うのよ」
「そういうことですね」
「そうよ、それとね」
「それと?」
「これはエジプトの神様だけじゃないから」
「他の神様達もですか」
「オズの国は神様も多いの」
 トロットはカルロスにこのこともお話しました。
「オズの国はアメリカが反映されるでしょ」
「はい、その時代の」
「アメリカは世界中から人が来るわね」
「それでその人達の信仰もですね」
「信仰、つまり神様も来るから」
「だからですね」
「神様もね」
「世界中の神様が来て」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「オズの国もなのよ」
「世界中の神様が集まっているんですね」
「そうよ、エジプトの神様もいれば」
 このピラミッドの中にいる神様達にです。
「それにね」
「他の神話の神様もいるんですね」
「ギリシアや北欧の神様もいれば」
 それにというのです。
「中南米の神様もいて」
「アステカやインカの」
「そして日本や中国の神様もね」
 そちらの国々の神々もというのです。
「いるのよ」
「そうなんですね」
「そしてどの神様もね」
「いい神様なんですね」
「悪い一面が消えてね」
 それがあってもというのです。
「そうなっているのよ」
「そうですか、そういえば」
 ここでカルロスはあることを思い出しました、それは何かといいますと。
「ヨルムンガルドもいましたね」
「海にいたでしょ」
「はい、リバイアサンも」
「オズの国で楽しく過ごしてるでしょ」
「平和に」
「北欧神話ではヨルムンガルドは怖い神様みたいだけれど」
「何か世界を滅ぼす戦いに出て来るんですよね」
 カルロスはこのことは知っていました。
「北欧神話の」
「そう、それでもね」
「オズの国ではですね」
「その滅びるということがないし」
「悪い一面がなくなるので」
「それでね」
 そうした世界だからというのです。 
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