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アルゼンチン帝国召喚

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第十七話「それぞれの動き」

第十七話「それぞれの動き」
パンドーラ大魔法公国は悩んでいた。長年パーパルディア皇国の属国となっていたがアルゼンチン帝国によってパーパルディア皇国が滅ぼされ漸く独立する事が出来た。しかし、パンドーラ大魔法公国はアルゼンチン帝国から以下の内容が届いたのである。

1.パンドーラ大魔法公国はアルゼンチン帝国に貴国が持つ全ての魔法技術を提供する。
2.アルゼンチン帝国はパンドーラ大魔法公国に対し様々な技術を輸入する。
3.パンドーラ大魔法公国の国家元首たる学連長を決定する際最終確認の為にアルゼンチン帝国に許可を貰う事。許可されなかった場合別の人物を選びなおすこと。


他にも関税や領事裁判権についての記載があったが要はパーパルディア皇国の代わりにアルゼンチン帝国の属国となれと言っているに等しかった。
当初、この話を聞いた時に意見は二つに割れた。容認派と反発派だ。
容認派の意見としては、アルゼンチン帝国はパーパルディア皇国を超える大国であり要求を断れば戦争となる可能性が高い。そうなればパンドーラ大魔法公国はパーパルディア皇国と同じ道を歩み滅ぼされるだろう。属国になれば魔法技術を提供しなければいけないがアルゼンチン帝国の技術が褒賞という形で支払れる。今以上に発展する事が出来るというものだった。
対する反発派の意見は、パーパルディア皇国に一方的に攻め込んだアルゼンチン帝国が属国となったからといって牙を向けないとは思えない。技術の輸出に関しても全ての魔法技術を提供する意味があるのか?それに提供した魔法技術以下の技術が輸入される可能性もある。
というものだった。
両陣営は真っ二つに割れ何日も会議が続いたが痺れを切らしたアルゼンチン帝国がグレート・ディアボロスを派遣すると一気に容認派に傾きパンドーラ大魔法公国は再び属国の道を歩み始めるのだった。
因みに、パンドーラ大魔法公国は渋々ながら全ての魔法技術を提供した結果自分たちの技術が幼稚とも言える洗練された科学技術が送られてきた為あっという間に反発派は消え去りパンドーラ大魔法公国はアルゼンチン帝国からもたらされた技術で化学と魔法の融合を行っていくのだった。







アルタラス王国国王ターラ14世はアルゼンチン帝国がパーパルディア皇国に宣戦布告した時どっちにつくか大いに迷った。列強であるパーパルディア皇国は勿論アルゼンチン帝国も強大な力を持っておりターラ14世は判断できなかったのである。しかし、王女ルミエスの助言もありアルゼンチン帝国側につき様々な支援を約束した。実際は支援内容がアルゼンチン帝国から見るとあまり良い物では無かったため気持ちだけ受け取っていたがアルタラス王国のこの行動はアルゼンチン帝国から好意的に受け入れられた。
結果パーパルディア皇国が滅びた後は様々な技術が無償で提供された。一番大きいのは自治領統合軍で使用されているガルガント級駆逐艦が2隻、2B級巡洋艦が1隻譲渡されたことだろう。パーパルディア皇国の艦隊を撃滅できるその艦の無償提供を受けアルタラス王国は一気にアルゼンチン帝国を好意的に受け入れ始めた。
そしてターラ14世はこれのお礼という事で異世界国家で初のアルゼンチン帝国本土へと足を踏み入れる事となった。
アルタラス王国は今後アルゼンチン帝国との国交を深めていく事となる。特に王女ルミエスは後にアルゼンチン帝国唯一の元貴族エインズワーグ家の次男と恋に落ち嫁ぐことになる。帝国でも有数の大企業の社長を義理とは言え息子に持ったアルタラス王国にエインズワーグ家は様々な支援を行い地球国家以外で最初に近代化に成功し技術力で言えば極東国家連合の中で上位に位置するようになるのであった。









一方でフィルアデス国家の中でパーパルディア皇国と同様に滅ぼされた国があった。リーム王国である。リーム王国は72ヶ国連合を支援し自らもパーパルディア皇国に攻め入っていた。しかし、それを邪魔に思ったアルゼンチン帝国により72ヶ国連合諸共殲滅させられ本土もグレート・ディアボロスなどの艦隊により焦土へと化していた。
因みに、この時点でリーム王国の正確な国境線が分かっておらず北方に位置していたマオ王国も焦土と化していた。あくまで偶然であると言っているが真意は不明である。中にはアルゼンチン帝国に否定的だったマオ王国に対する制裁とも噂されたがやがて沈静化していった。
フェン王国はパーパルディア皇国でのその動きからアルゼンチン帝国の怒りを買いパーパルディア皇国攻めとは別に本土を蹂躙されていた。住民の大半が殺されフェン王国の領有していた島はアルゼンチン帝国の軍事基地として利用されていく事となる。



そしてパーパルディア皇国は戦後処理で悲惨な結末を迎えた。
先ず中央部から東部にかけアルゼンチン帝国の支配地域となり今回参戦した神聖オーストリア・ハンガリー帝国には西部を、様々な支援を行ったヌナブト連邦共和国にも領土が分配された。そして奥の方は両国の共同統治領フィルアデスとなった。
アルゼンチン帝国はエストシラント周辺やリーム王国領、デュロなどが存在した東部沿岸部を直轄領としそれ以外を帝国領パールネウスとした。そして驚くべきことに自治領指導者の地位にはレミールが就任したのである。自治領はアルゼンチン帝国の臣民や帝国白銀党の党員のみが就任できる者だったが下手に置くより心が砕かれ決して反抗する気のない元皇女を起用した方が、統治が楽なのでは?という考えの元であった。因みに新たに誕生した帝国領マオは帝国白銀党の党員が自治領指導者となっている。
アルゼンチン帝国やその周辺が極東国家連合として独立したため第三文明圏は既に崩壊したも当然の状態となったのであった。
 
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