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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二百六十話 炎を見ながらその八

「幕末で言うなら」
「大久保さんなのね」
「物凄く現実的で冷静な人だったっていうから」
 演義では妖術というか神仙の術も使ったりするけれどその実はそうした政治的な視野から戦いを考える人だったらしい。
「だからね」
「それでなのね」
「大久保さんに近いかな」
「大久保さんって冷たいイメージあるけれどね」
「物凄く冷徹でね」
 僕もその大久保さんの話をした。
「あくまでその都度最善の方法を採る」
「そうした人よね」
「西郷さんを補佐してね」
「西郷さんがトップで」
 薩摩藩の志士の人達のだ。
「その西郷さんの横で冷徹な作戦を出す」
「そうした人って感じだね」
「西郷さんはどんと構えていてね」
「人を惹き付けてまとめる」
「そうした人ってイメージあるわ」
「それがね」
 その実はとだ、僕は詩織さんに話した。
「陰謀とかは実は西郷さん担当だったんだ」
「そうだったの」
「大久保さんは政治の実務とか担当で」
「陰謀にはなの」
「あまり関わってなかったみたいだよ」
「そうなのね」
「暗殺とかは」
 薩摩藩のそれはだ。
「西郷さんが考えて指示を出していたんだ」
「そうだったの」
「確かに器が大きくて魅力的でね」
 カリスマ性があったことは事実だ。
「偉大な人だったけれど」
「暗殺もしていたの」
「そうだったんだ」
「大久保さんじゃなくて」
「龍馬さん暗殺の黒幕って説もあるから」
 京都見廻組が行ったこの事件もだ。
「それ位ね」
「暗殺も命じていたの」
「武市半平太さんみたいにね」
 この人は岡田以蔵を使っていた。
「そうしていたんだ」
「意外なことね」
「これ書いてたクラスもあったかな」 
 西郷さんが暗殺を命じていたことをだ。
「西郷さんのその一面もね」
「あったかしら」
「どうだったかな、西郷さんは人気があるから」
 幕末、明治の人達の中でも特にだ。
「周りから慕われていて明治帝からもね」
「お気に入りだったのよね」
「明治帝は裏表がなくて厳しいことでも直言する人を好まれたから」
 この辺り見事だと思う、流石は天皇陛下だ。
「西郷さんもね」
「お気に入りで」
「西南戦争で死んだ時も」
 この時の話が凄い。
「逆賊ではないと言われたからね」
「そのお話は私も知ってるわ」
「ちゃんと書いてたからね」
 西郷さんを扱っているクラスでもだ。
「後で高い官位も贈ってるし」
「そうだったのよね」
「訓練の時に落馬されたけれど」
「その時に西郷さん言われたわね」
「そうそう、君主たる者痛いと申されるなってね」
 殆ど一喝だったらしい。
「凄いよ、西郷さんは」
「本当にそうよね」
「それでその西郷さんを明治帝はね」
「お気に入りだったのね」
「そうだったんだよね」
 つまり上からも下からも愛されていた人だったのだ。
「天下の英傑と呼ぶに相応しい人だったよ」
「抜刀隊の歌あるけれど」
 軍歌だ、西南戦争の時の歌だ。 
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