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オズのハンク

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第四幕その四

「安心して進めるわ」
「磁石もあるんだね」
「持って来たの。旅の必需品だから」
 それでというのです。
「私もドロシ―達もいつもね」
「磁石持ってるんだね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「この磁石は魔法の磁石だから」
 そうした方位磁針だからというのです。
「磁気が強い場所でもね」
「影響されないんだ」
「そうなの」 
「そのことも有り難いね」
「そうでしょ、だからね」
「ピラミッドの中で例え磁気が強い場所があっても」
「それで他のどんな場所でもね」
 ベッツイはハンクに笑顔でお話しました。
「普通に使えるから」
「そのことに安心して」
「そしてね」
「先に進んでいけるね」
「ええ、本当に何処でも使える磁石はね」
「何でもない様でね」
「有り難いものよ、冒険の時はね」
 こうも言うベッツイでした。
「本当にね、それとね」
「それと?」
「ええ、お昼になったら」
 ベッツイはこの時のお話もしました。
「ちゃんとね」
「お昼ご飯もだね」
「食べないとね」
「そうだよね。お昼ご飯はね」
「忘れたらね」
 それはというのです。
「駄目だからね」
「ちゃんとだね」
「食べましょう」
 お昼にというのです。
「絶対に」
「そうだよね、本当に忘れない様にしてね」
「行きましょう」
 笑顔で言ってそうしてでした。
 実際にお昼になると食事となりました、尚迷路の中には結構色々な場所にちゃんとおトイレもありました。それで中にはミイラ男や神官さんや古代エジプトの服を着た人達が結構行き交っていました。そうした結構賑やかな場所でもありました。
 一行は今は迷宮の中の玄室に入ってそこで敷きものを敷いてその上に車座で座ってその中にテーブル掛けを出しました、そうしてお昼ご飯を出しますが。
 カルロスはどんと出された巨大なステーキを見て言いました。
「ブラジルというよりアルゼンチンかな」
「ブラジルの南の国だね」
「うん、その国の感じだね」
 こうハンクに答えました。
「このステーキは」
「そうなんだね」
「ブラジルもよく牛肉を食べるけれどね」
「シェラスコとかね」
「こうしたね」
「大きなステーキを食べることは」
「むしろアルゼンチンだね」
 この国だというのです。
「どちらかというと。それでね」
「今からだね」
「その大きなステーキをね」
 見れば分厚いだけでなく幅もかなりのものです、子供であるカルロス達なら一枚でお腹一杯になる位の大きさです。
「食べようね」
「そうだね、じゃあ僕は」
 ハンクはといいますと。
「桶の中にザワークラフトをたっぷり入れたサラダがあるから」
「それをだね」
「食べるよ」
「そのサラダは私達も食べるわよ」
 ベッツイが笑ってお話しました。 
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