新ヘタリア学園
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百三十二話 作品の時代は
第三百三十二話 作品の時代は
日本はイタリアに言いました。
「作品の時代は日清戦争直後でしたね」
「そうだね、大体」
「初演から十年程前で」
「あの頃は現代劇に近い感じだったんだ」
当時の人達の感覚ではです。
「だから時代的には身近に感じられたんだ」
「プッチーニさん自身もですね」
「何か明治維新の頃って感じもするけれど」
作品の時代がです。
「そこはね」
「違いますね」
「二次大戦の頃だとお孫さんの世代かな」
「今はどれ位かというと」
世代的にです。
「七十年以上経っていますから」
「ピンカートン中尉から数えて六代目になるね」
「息子さんだと五代、もう蝶々さんは過去のお話ですね」
「日米ハーフから混血してね」
「蝶々さんの悲劇も薄れていっていますか」
「何とか克服されていればいいけれど」
蝶々さんのことも暗い影が落ちたピンカートン家のこともというのです、イタリアも日本も心から思うのでした。
第三百三十二話 完
2020・2・24
ページ上へ戻る