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オズのハンク

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第三幕その七

「それをあれこれ屁理屈みたいに現代の科学だけで全部言うなら」
「何の意味もないね」
「そんな本を読んでも」
「学問にもならないね」
「何よりも下らない本に違いないし」
「読んでも意味がないね」
「まさに時間の無駄だと思うよ、特にオズの国では」
 お伽の国であるこの国ではというのです。
「夢はね」
「実現させるものでね」
「必ず実現出来るからね」
 だからだというのです。
「そんなことを必死に考えて言う人はね」
「何にもならないね」
「そうだよ、この世界に来ることも」
「外の世界から」
「ないだろうね」
 そんな夢を否定する人はというのです、そしてカルロスも言います。
「アニメや特撮の技術も実際にですよね」
「実現していってるね」
「その時は夢の技術でも」
「スマートフォンにしてもだね」
「はい、テレビや電話だってそうですよね」
「その通りだよ」
「それで潜水艦とかも。僕海底二万マイル好きなんですが」 
 この小説がというのです。
「この小説もですよね」
「今は実現しているね」
「それに八十日間世界一周も」
 これも外の世界の小説です。
「外の世界のお話ですが」
「今じゃ八十日どころか」
 ナターシャが言ってきました。
「飛行機を使ったら色々回って一周しても一週間?」
「世界を回るだけなら数時間だよ」
 ジョージはこう言いました。
「それこそね」
「その頃は八十日でなんてとてもだったけれど」
 神宝はその小説が書かれた頃の世界のことを言います。
「今じゃね」
「もう全然違うわね」
 恵梨香も言いました。
「それこそ」
「若し十九世紀の科学知識で今の科学を語っても」
「全然説明出来ないね」
「別ものみたいに進歩してるし」
「それと同じことよね」
「そうよね、私達だってね」 
 ベッツイも言います。
「オズの国がどう変わるか見てきたけれど」
「ベッツイさんが来られた時よりもですよね」
「オズの国は変わってますよね」
「別ものって言っていい位に」
「そうですよね」
「オズの国にしても」
「本当に全く違うわよ」
 実際にというのです。
「スマートフォンどころかテレビいえラジオもなかったのに」
「ドロシーさんが最初に来られた時と比べても」
「カエルマンさんが最初にボームさんに紹介された時と比べたら」
「もう全然違いますしね」
「オズの国も」
「そう考えたら」
「本当に今の知識を絶対にして言っても」
 それでもというのです。
「何の意味もないわ」
「そうですよね」
「そんなことをしても」
「科学はどんどん進歩しますから」
「今の科学の知識でアニメや漫画の技術をあれこれ言っても」
「意味ないですね」
「そんなことをして必死にあれこれ言って本を書いているとしたら」
 その人はといいますと。
「本当に何よりも下らなくて無意味な人生を送っている人ね」
「そんなことをするよりも?」
 ボタンが言うことはといいますと。
「寝てる方がまし?」
「僕もそう思うよ」
 ハンクはボタンのその言葉に頷きました。 
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