八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

「有名じゃないみたいだよ」
「そうですか」
「幕末や維新は日本の中のことで」
　確かに日本にとって重要な時代だったけれどだ。
「それで日露戦争と日清戦争はね」
「世界が見ていたので」
「それで東郷さんの方がね」
「どうしても有名ですね」
「日清戦争でも活躍して」
　清、今の中国との戦争でもだ。黄海海戦で勝利を収めてこの勝利が日清戦争全体に大きく貢献したのだ。
「日露戦争でもね」
「日本海海戦でしたね」
「その前の海戦でもね」　
　日露戦争でも黄海海戦があってここでも勝利を収めたのだ。
「勝ってね」
「それで、ですね」
「世界的に有名なんだ」
「日本の英雄として」
「この人大河ドラマになってないけれどね」
　こちらの主人公にはだ。
「坂の上の雲って作品もあるけれど」
「司馬遼太郎さんの」
「それでも大河ドラマにはね」
「なっていないですね」
「龍馬さんや西郷さんはなっていてね」
「新選組の人達もですね」
「近藤さんを中心としてね」
　それで新選組メインの作品になっていたのだ。
「幕末も維新も舞台になっていても」
「日露戦争の時はまだで」
「そういえば伊藤博文さんも大河ドラマで主役になってないね」
　今このことに気付いた。
「凄い人なのに」
「そういえばそうですね」
「それで東郷さんもで」
「まだですね」
「主人公になっていないよ」
「なって欲しいですね」
「面白そうだしね」
　この人が主人公でもだ。
「日露戦争は凄い戦争だったし」
「日本が生き残った」
「そうした戦争だから」
　それだけにだ。
「だからね」
「重要な戦争でしたね」
「その戦争の名将だから」
「より知られてもいいですね」
「そう思うけれどね」
　これがだ。
「幕末や維新の人と比べると」
「あまり、ですね」
「そうなんだよね」
「そう言われますとそうですし」
「お札になってもおかしくない人だよ」
　その功績と世界的な知名度を考えるとだ。
「本当にね」
「お札ですか」
「うん、今のお札も悪くないけれど」
　次のお札もだ。
「東郷さんにしてもね」
「お札になってもですね」
「おかしくない人で」
　僕が思うにだ。
「あの戦争もね」
「より、ですね」
「いい意味で注目されるべきだと思うよ」
「どうも悪く言う人も」
　千歳さんはここでどうかという顔で言ってきた。
「いますね」
「あの戦争自体にね」
「そうですよね」
「あの戦争は侵略だったとか」
「日清戦争もね」
「それは間違いですよね」
「うちの学校じゃそう教えてないから」
　日本を守る、その為の戦争だったと教えている。